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江蘇省蘇州市の日本人母子ら襲撃事件、垣間見える中国社会の反外国人感情?

Record China / 2024年6月29日 17時0分

江蘇省蘇州市の日本人母子ら襲撃事件、垣間見える中国社会の反外国人感情?

中国江蘇省蘇州市で日本人母子らが襲われる事件が起きた。吉林省でも米国人が刃物で刺される事件があった。背景には中国社会の一部にうごめく「反外国人感情」が垣間見える。写真は蘇州市の警察。

中国・上海近郊の江蘇省蘇州市で6月24日、日本人母子と中国人女性が刃物で襲われる事件が起きた。中国では東北部の吉林省で6月上旬、米大学教員ら4人が刃物で刺される事件があったばかり。いずれも犯行の動機は不明だが、相次ぐ事件の背景には中国社会の一部にうごめく「反外国人感情」が垣間見える。

蘇州市では4月にも日本人が襲われていた。在上海日本総領事館などによれば、市内の日本料理店が立ち並ぶ通りで4月3日、駐在員の日本人男性が面識のない男に襲われ、首に軽傷を負い病院で治療を受けた。警察が容疑者の男の身柄を拘束したが、詳細は明らかにされていないという。

今回の事件で現地の日本人社会では動揺が広がっている。東京電力福島第一原子力発電所からの処理水海洋放出などを受け、中国では対日感情が悪化。日本人母子らの襲撃事件で容疑者として拘束された52歳の男が日本人を狙って無差別に危害を加えようとしていたという見方が出ているためだ。蘇州市の日本人学校は、卵が投げ込まれるなど嫌がらせの標的にもなっていた。

在上海日本総領事館の赤松秀一総領事は25日、呉慶文・蘇州市長と面会し、邦人社会の安全確保などを求めた。北京の日本大使館も24日深夜、在留邦人に対し、外出時は身の安全に注意を払うよう呼び掛ける情報を発信。最近、中国各地の公園や学校、地下鉄など人の集まる場所で刺傷事件が起きているとして、「周囲の状況にくれぐれも留意」するよう促した。

日本人母子らの襲撃事件について、中国外交部の毛寧報道官は25日の記者会見で「事件が発生したことは遺憾だ」と述べる一方、「私の知る限り、警察は初歩的判断でこの事件は偶発的事件としており、目下さらなる調査を進めている」と説明。「このような偶発的な事件は世界のいかなる国でも起こり得る」と主張した。

さらに「中国側は引き続き有効な措置を取り、すべての在中外国人の安全を適切に守る」と強調したが、日本人を狙った事件かどうかは明言を避けた。

日本人母子らの襲撃事件は台湾メディアでも大きく取り上げられた。最も詳しく報じた太報は「義和団事件の再現か?」との見出しを打った。「義和団事件」とは1900年から中国(清)で広がった外国人排斥運動を指す。記事は「中国国内で外国人が攻撃を受けたのは、わずか2週間で2度目だ」と指摘し、やはり吉林省の事件に言及した。

華字メディアの日本華僑報は26日、「社会問題の縮図」だとする評論記事を掲載。「今回の事件は単なる一つの事件であるだけでなく、社会問題の縮図である点を強調したい。急速に発展する現代社会において、安全問題は無視できない重要課題だ。社会全体が共に努力してこそ、さまざまなリスクを防止できるのだ」と訴えた。(編集/日向)

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