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日本人学校への“陰謀論”垂れ流し、母子襲撃事件は本当に「偶発的」だったのか?―シンガポールメディア

Record China / 2024年6月28日 17時0分

日本人学校に関するさまざまなデマ

聯合早報の記事は、「近年、日中関係は領土問題や歴史問題でたびたび揺れてきた。日本が昨年8月に福島第一原子力発電所の汚染処理水の海洋放出を開始すると、中国の民間で対日感情が悪化し、蘇州や青島の日本人学校に石や卵が投げつけられた」と説明。一方で、「中国のインターネット上では日本人学校に関連したさまざまなデマが出回っており、今回の蘇州襲撃事件との関連性を考えざるを得ない」と述べた。

そして、デマについて「中国には35もの日本人学校があり、世界全体の日本人学校の40%を占める。中国国内の日本人学校は『独立王国』であり、外界から遮断され、日本人の生徒だけを募集して中国人は受け入れず、中国政府の管理を受けず、中国人の接近すら禁止している」というもので、こうしたデマはSNSで拡散され、多いものだと10万回以上の閲覧回数を記録していると紹介。

一方で、実際は「2023年4月15日現在、中国内の日本人学校は15で、世界全体に占める割合も16%ほど。日本人生徒しか募集していないのは確かだが、それは中国の教育当局による『中国公民の子女を入学させてはならない』という規定によるもの。日本人学校の活動については中国政府が管理しており、公式サイト上には活動情報も掲載されている。禁止しているのは中国人の立ち入りではなく部外者の立ち入りであり、これは中国の普通の小中学校でも同様だ」とした。

また、「最も奇妙な陰謀論」として、「日本人学校は、外見で中国人と区別できないスパイを養成することが目的であり、何十万人もの日本人が目に見えない水のように中国社会に溶け込み、さまざまな業界に潜伏して中国の情報を海外に流している」という根も葉もない言説があることや、「日本人学校を卒業すれば中国国籍を取得できる」とのデマまで存在すると説明。このデタラメだらけのいいかげんな陰謀論に疑問を投げ掛けると、他のネットユーザーから袋だたきに遭うのだとした。

事件は本当に「偶発的」だったのか?

記事は、「世界各地のネット上で陰謀論が流行するのは避けられないことだが、一部の中国ネットユーザーの日本人学校に対する妄想と不安は、中国の多くのセルフメディア(自メディア)が民族感情を利用して憎しみを広めることでトラフィックを稼ぐ風潮を反映している」と指摘。中国政府も今年初めに、愛国主義を振りかざした言いがかりの取り締まりを開始したことを伝えた。

そして、「日本人学校は中国に駐在する日本企業の従業員の子どもたちのために設置されたもので、中国の対外開放と日中交流の産物である。中国で学習するのは安全ではないと判断されれば、日本企業の中国撤退が加速することもあり得る」と言及。中国のネット上で日本人学校へのデマや憎しみがあおられ続ける中で起きた今回の事件について、「本当に『偶発的』だったのだろうか?」と論じた。(翻訳・編集/北田)

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