中国で腐敗幹部の摘発数が「記録更新」、半年で36人―米メディア
Record China / 2024年7月8日 7時40分
米当局系メディアのラジオ・フリーアジアが、中国では2024年1月1日から6月末までに、腐敗を理由に少なくとも高級幹部36人が身柄を拘束されたとする記事を発表した。半年間として過去最多という。
米当局系メディアのラジオ・フリーアジアは6日付で、中国では2024年1月1日から6月末までに、腐敗を理由に少なくとも高級幹部36人が身柄を拘束されたとする記事を発表した。半年として過去最多の人数という。
香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国では2024年1月1日から6月末までに、腐敗を理由に「副部級以上」の幹部の少なくとも36人が身柄を拘束された。前年同期の人数は22人で当時として過去最多だったが、今年は人数がさらに大幅に増えた。
なお、「副部級以上」とは中央政府ならば副閣僚以上、地方政府ならば省政府トップの省長に次ぐ副省長以上の地位を指す。また、特別に設けられた職位が「副部級」とされる場合もある。
36人のうち、8人は中国共産党中央や国家機関に所属し、20人は地方の共産党委員会又は地方政府に所属していた。それ以外にも、2カ月近くも公の場から姿を消していた李尚福国防相が23年10月に解任され、24年6月27日に党籍をはく奪されたといった事例もある。
記事は、大きな実績を上げた人物が摘発された事例も目立つと紹介した。例えば、公安部のテロ対策責任者だった劉躍進氏だ。中国では2010年代前半を中心に新疆ウイグル自治区の過激派などによるテロ事件が繰り返し発生した。劉氏は14年3月に雲南省昆明駅で無差別殺傷事件が発生したことを直接のきっかけに中央政府公安部(中国国家警察)が新設したテロ対策責任者に就任した。劉氏の就任後もしばらくはテロ事件が発生したが、その後はテロ事件が見られなくなった。劉氏の貢献は大きいとされた。
中国人民大学のある専門家は、大きな功績のあった人物が摘発の対象になっていることについて、「過去の輝かしい功績や傑出した専門知識、あるいは政治関係が、もはや規律監督機関との駆け引きのカードにならないことを示している」と述べたという。
中国の指導者である中国共産党の習近平総書記(国家主席)は、就任直後に官界の腐敗防止運動を起こし、民間から歓迎されたことがある。しかし中国の腐敗問題は政治体制とも関係しており、腐敗の根絶は困難だ。また、最近では軍関係者の摘発も目立つ状態だ。習総書記が腐敗取り締まりに力を入れる真の目的も、注目を集めている。(翻訳・編集/如月隼人)
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