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中国競泳選手の薬物問題、アンチドーピングシステムの信頼の危機?―独メディア

Record China / 2024年7月12日 9時0分

中国競泳選手の薬物問題、アンチドーピングシステムの信頼の危機?―独メディア

10日、独ドイチェ・ヴェレは、中国の競泳選手の禁止薬物疑惑について世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が調査報告を発表したものの、疑念が晴れる内容ではなかったことを報じた。写真は張雨霏。

2024年7月10日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の競泳選手の禁止薬物疑惑について世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が調査報告を発表したものの、疑念が晴れる内容ではなかったことを報じた。

記事は、米紙ニューヨーク・タイムズが今年4月、2021年東京五輪直前に中国の水泳選手23人から禁止薬物トリメタジジン(TMZ)の陽性反応が出たにもかかわらず、WADAは中国アンチ・ドーピング機構による「チームがホテルの汚染された食品を知らずに摂取した結果」という釈明をうのみにし、東京五輪への出場を黙認したと報じたことを紹介。報道内容の拡散により、米国をはじめとする世界からWADAの不作為に対する批判が噴出していたと伝えた。

そして、WADAが9日に最新の調査報告書を発表し、WADAの選任により調査に当たったスイスのエリック・コティエ検事が「WADAはこの問題の処理において中国に『好意や従属』を示しておらず、中国選手への制裁を免除したWADAの決定は合理的だった」と結論づけたほか、WADAの科学・医学担当シニアディレクターであるオリビエ・ラバン氏が「中国当局による説明の信ぴょう性については懐疑的であるものの、十分な証拠がなくこの結論を受け入れるほかにない」との見解を示したことが明らかになったと紹介している。

その上で、調査結果に対してニューヨーク・タイムズが「アンチドーピングの専門家やその他の批判者、特に米国の人々を満足させることはないだろう。批判者たちはWADAが意図的にコティエ氏を選んだと主張しているし、コティエ氏の調査は限定的で、中国側の初動について調査していないほか、選手の潔白を主張するために用いられた情報の精査もしていない」と評したことを伝えた。

また、米アンチ・ドーピング機構(USADA)の最高責任者であるトラビス・タイガート氏も「報告書は重要な疑問のほとんどに答えていない。WADAはコティエ氏の調査に対し時間や対象範囲の制限を加えた」と批判し、「われわれの目標は、無実のアスリートのために真実を明らかにすること。WADAの幹部がこの目標を共有しない限り、世界のアンチ・ドーピング制度は信頼を失うだろう」と主張したことを紹介している。

一方で、中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官が10日の定例記者会見でこの件に触れ「中国は独立したスイス検察官の結論を信じている。米国側は中国の優秀な選手の信用を失墜させ、パリ五輪への参加に影響を与える目的で、捏造(ねつぞう)された憶測を展開し、関連国際機関を攻撃し続けている。米国は世界的なアンチドーピングシステムや中国のアンチドーピング活動に口を出したり、干渉したりする立場にない」と米国を批判したと紹介。WADAのウィトルド・バンカ会長も「WADAの対応に対する批判は地政学的な緊張に根ざしたものだ」と繰り返し、批判者に対する法的措置も検討していると警告したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)

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