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<中国3中全会>「対外開放」を推進、民生改革で需要拡大へ―AI、EVなど最先端技術を成長底上げ

Record China / 2024年7月19日 18時10分

<中国3中全会>「対外開放」を推進、民生改革で需要拡大へ―AI、EVなど最先端技術を成長底上げ

中国の中長期的な政策を審議する中央委員会第3回全体会議が18日に閉幕した。写真は天安門。

中国の中長期的な政策を審議する中央委員会第3回全体会議(3中全会)が18日に閉幕した。会議では「改革の全面的深化をさらに進め、中国式現代化を推進することに関する党中央の決定」を議決し、コミュニケとして公表された。盛り込まれた改革案を中華人民共和国建国80年となる2029年までに完成させる。

コミュニケでは、2035年までに「高水準の社会主義市場経済体制」を建設するとの目標を設定。AI(人工知能)、EV(電気自動車)、省エネ技術など最先端技術・産業の振興を強化し、イノベーション(技術革新)を通じて成長の底上げを目指す。米国が半導体などハイテク分野で対中抑止策を進める中、「供給網(サプライチェーン)の安全」を確保すると強調した。

国内需要の拡大を積極化する方針も打ち出した。「民生を改善することが中国式現代化の重大任務」とし、収入分配制度や就職対策、社会保障制度、人口対策を改善する方針も示した。不動産や地方政府債務問題を今後の経済リスクとして明示し対策を講じる。

また、対外開放が基本的な国策であることを確認した上で、貿易などで「改革をより突出した位置に置き、さらに深化させなければならない」と主張。「改革」に50回以上言及し、トウ小平氏が進めた「改革」の継承を強調した。金融や財政、国防などの改革も進めると強調。建国80年の2029年までに「改革の任務を完成させる」ことも打ち出した。

対外開放へ米欧とも関係改善

こうした中、米中首脳は電話会談を含めて複数回にわたって対話している。ブリンケン国務長官、イエレン財務長官など米閣僚が訪中しているほか、4月には独ショルツ首相が企業幹部の経済交流ミッションを率いて中国を訪れた。5月にはフランスが習国家主席をパリで国賓として出迎えた。関係が悪化していたオーストラリアでも6月に中国から関係改善に向けパンダが送られることが決まった。ニュージーランド、イタリアなど各国で外交や経済面で対中関係を強化している。中国もロシア・北朝鮮の接近から距離を置くなど西側諸国との関係に配慮している。

中国は約14億人の人口を抱える巨大市場で、自動運転技術など新サービスの普及も早い。日米欧をはじめ外国企業の多くは業績拡大に向けて中国市場を無視できない。

北京モーターショー2024

米有力企業の訪中団が近く訪中する予定だ。金融大手ゴールドマン・サックスや半導体大手クアルコム、スポーツ用品大手ナイキ、飲食大手スターバックスなどの有力企業が参加する。中国進出企業で構成する米中ビジネス協議会(USCBC)が組織し、習指導部の要人との面談が予定されている。3中全会直後の外資企業の訪中団は異例。欧州の有力企業トップの訪中も相次ぐ。中国景気や外資への扱いを含めた経済方針などについて聴取して意見交換するとみられる。半導体分野のイベントでも、米アプライドマテリアルズ(AMAT)など、多くの米国企業が参加している。

日本の官民は実利重視へ対中外交推進を

在中国の日本企業幹部は「中国を重要な市場の一つとする企業が5割を超え、中国市場の重要性は高まっている」と強調する。

半導体やエネルギー安全保障などで必要以上の規制や排除は避けるべきだろう。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)における米中の協力は引き続き合意事項である。カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出実質ゼロ)を達成するためには、中国の再生エネルギー分野の技術力をうまく利用し、したたかに日本の経済成長に取り込んでいく必要がある。

日本にとって中国は貿易総額の2割以上を占める最大の貿易相手国である。中国との独自のパイプを持つ本来の日本のポジションを取り戻し、したたかな経済・外交関係を推進し実利をとれるよう官民が努力すべきだ。

杭州東駅

中尾武彦前アジア開発銀行(ADB)総裁は「中国は依然発展途上であり成長余地が大きい」と指摘。研究者の絶対数が膨大で、研究開発(R&D)への投資増や自由なデータ活用により、AIやEVなど明るい分野が拡大している。シリコンバレーで起業して帰国する中国人が多く、伸びしろがあると予想している。

経済産業・金融分野では米国も含め中国との相互依存が高い。グローバル化の恩恵を受ける貿易投資立国・日本は多国間主義を貫くべきであり、日本は欧州とともに国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)などを強化し、世界の分断の動きを抑制すべきである。

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