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アリババはかつての栄光を取り戻せるか、大規模言語モデル「通義千問」がカギに

Record China / 2024年7月24日 6時30分

通義千問はアリババのクラウドコンピューティング子会社「アリクラウド(阿里雲)」が開発した。アリクラウドはダブルイレブンと同じ2009年にスタートした。アリババグループはもとより、国家鉄路集団、中国石化、中国石油、中国煙草総公司など国有中央企業のDXにも大きく貢献した。さらに世界中に開発者と企業ユーザーを持つ。

「通義」とは一般的、合理的な正義といった意味合いで、通義千問はAI Generated Content(AIGC、AI生成コンテンツ)と呼ばれるタイプの大規模言語モデルだ。

通義千問の最大の強みは四つの中で唯一のオープンソースモデルであることだ。パラメーター数(外部要素の処理数)が18億、70億、140億、720億の四つの大規模言語モデルをオープンソース化した。その結果、権威ある世界10種の評価基準で最上位にランクされ、メタ社のオープンソースモデルLlama2を上回った。

静止画をアニメーションへ変換

通義千問は複数データを一括処理できる。複数の対話、コピーライティング、論理的推論、多言語サポートにより、小説の続きやEメールを書いたり、コピーを作ったりできるのだ。アリババはWAIC2024の会場で「通義12時間、AIアシスタントが付き添う1日を体験しよう」をテーマに掲げた。対話、効率、インテリジェンス、ビジョンの四つを中心に、仕事、学習、生活のシーンにおいてAIアシスタント機能を提供する。あらゆる静止画像をダンスアニメーションに変換でき、兵馬俑が踊りだしたり、名画「韓熙載夜宴図」を復活させたりと、インパクトの強いデモンストレーションを行った。参加者は「パーソナルボイス」や「大学100万人クリエーター」などのツールのほか、AI絵本やデモンストレーションの鑑賞、うちわやポストカード作りなどを体験した。

大規模言語モデルはアリババの切り札になるか

2009年にスタートした大規模SNSの微博(ウェイボー)は通義千問の草創期からの顧客だ。微博のトップは、「生成AIは想像を超えるスピードで発展している。この間、多くの大規模言語モデルが登場したが、これらは百科辞典のようなもので、何個も必要ない。微博では、通義千問のような優れたビッグモデルを使用しつつ、独自データをより精緻にカスタマイズしたい」と述べた。ユーザーサイドのニーズをよく表している。

一方、アリクラウドのトップは、中国の大規模モデルの進歩と社会実装にはオープンソースモデルのエコシステム構築が不可欠だと述べ、外部との連携を強調した。また、演算能力、AI、生成モデルの形成など、フルスタックの技術革新を通じてクラウドコンピューティングシステムをアップグレードする。通義千問はAI時代に最もオープンかつ競争力のあるクラウドとしてユーザーニーズに応えるという。

唯一のオープンソースモデルであることや国内外多数の優良顧客の存在により、四つの国家認定大規模言語モデルの中でトップランナーなのは間違いなさそうだ。ただ、2010年代に道なき道を切り開いた王者の輝きはない。かつてと違い、独創的なプラットフォームとはいえないからだ。

しかし、この通義千問の動向は今後のアリババを左右しそうだ。長年のライバルのテンセントはともかく、台頭著しいバイトダンス(TikTok運営)や拼多多(Temu運営)にここで差をつけられるかどうか。アリババは正念場を迎えている。

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