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わが国初の葬祭専攻の大学課程が登場、なぜ「学歴」が必要なのか―中国メディア

Record China / 2024年7月29日 5時0分

わが国初の葬祭専攻の大学課程が登場、なぜ「学歴」が必要なのか―中国メディア

中国政府は最近になり、職業技能者の育成を目的とする民政職業大学に対して、5職種について学士号の授与を行える課程を設けることを承認した。5職種の中には現代葬祭管理も含まれていた。

中国政府は最近になり、民政職業大学に対して、5職種について学士号の授与を行える課程を設けることを承認した。5職種の中には現代葬祭管理も含まれていた。民政職業大学とは、職業技能者の育成を目的とする教育機関だが、葬祭関連についてはこれまで、日本の専門学校課程に相当する「専科」の設置しか認められていなかった。中国メディアの潮新聞は、政府の方針転換の背景を解説する記事を発表した。以下は、同記事の主要部分に日本人読者向けの情報追加を行うなどで再構成した文章だ。

中国では、結婚式が「紅事(ホンシー)」、葬儀が「白事(バイシー)」と呼ばれる。中国人にとって紅(=赤)はめでたさや活力を示す色なので、結婚式の際には着衣などで赤色を強調し、白は悲しみや喪失を象徴する色なので、葬儀の際には白い衣装を着用したからだ。中国人は古くから、この「紅事」と「白事」を人生の二大行事と考えてきた。「白事」の場合には、故人の尊厳を示しつつ人生の最後の行事を執り行うということでも、極めて重視された。

中国の民政職業大学が葬祭関連の課程を設けたのは、30年近く前にさかのぼる。代表校の一つとされる長沙民政職業技術学院は1995年に現代葬祭技術と管理の専攻課程を設けた。同大学卒業者は、中国全国の葬祭関連施設で、専門家として職位に就くことになった。

葬儀は伝統が残りやすい分野だが、それでも「個性的な求め」が出現するようになった。例えば式場でピアノやバイオリンを演奏したい、三次元ホログラフィーを使用したい、外国語を使って司会をしたいなどだ。そのため葬祭関連のサービスを提供する側には、様々な分野の知識を持ち、対応することのできる能力が求められるようになった。

中国の葬祭業界は総じて言えば、「伝統的葬祭から現代的葬祭への転換」「単純な葬祭管理から(葬祭全体を広い視野により成立させる)葬祭統治への移行」「葬祭文化から生命文化への昇華(単なる儀式としての葬祭ではなく、生命に対する姿勢そのものを重視)」という三つの大きな変革期にある。そのため、人材に求められる資質も変化しつつある。特に重視されているのは、「現代的葬祭を研究し、企画し、革新することができる人材」「現代的葬祭の新たなサービスを開発できる人材」「葬祭業を発展させ、方向性を築き、配置できる人材」「体制と運営のメカニズム改革の研究と革新ができる人材」だ。すなわち、専門課程で学ぶ学生には、技術とサービスの能力だけでなく、基準の策定や技術開発、管理の能力を身に付けることが求められる。


大学本科生としての葬祭関連の職業教育は、就職のチャンネルを広げ、管理職を担えるようにし、さらにはより人情味があり個別化されたサービスを提供するための基盤を築くものだ。

最近になり、社会における葬祭業界への理解と受け入れの程度は向上しているが、職業差別や偏見は依然として存在する。葬祭業界で働く人の多くが、自分の仕事に関連する話題を外部の人と話すことはほとんどない。相手が非常に親しい友人でも、口を閉ざす。業界関係者からは、「この話題はタブーと思っている人がいますからね。わざわざ嫌な思いをさせたくありませんし」「仕事の話をすると必ず、『怖くないのか』と聞かれます」「3カ月付き合った恋人が、私が葬祭館で働いていると知った途端に別れを告げました」などの声が聞こえてくる。

中国の伝統文化では、死の話題はタブーとされてきた。そのため、多くの人は葬祭業界のことを知らない。そして、業界を知らないことが偏見を生み出している。

中国では近年になり、各地では生命文化教育のさまざまな模索が始まり、一般の人々に生命文化を伝える試みが行われるようになった。例えば、葬祭場や墓地を管理する機関が、多くの人が墓参りをする習慣のある清明節などの時期に、「生命文化オープンデー」や「生命文化教育日」といった活動を行っている。一般の人々が死を正しく、堂々と受け入れることができれば、恐怖や不安などの心理が軽減され、葬祭業界に対する偏見も解消すると思われる。(翻訳・編集/如月隼人)

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