中国が世界最大の新エネ車市場に、産業再編を促進―中国メディア
Record China / 2024年8月9日 14時30分
中国は世界最大の新エネ車消費市場となり、効率的に協同する産業体系が構築されている。
今年4月前半、新エネ車市場の出荷浸透率と販売浸透率がいずれも50%を超え、関連する計画の目標が11年前倒しで達成された。中国はすでに世界最大の新エネ車消費市場となり、効率的に協同する産業体系が構築されている。
研究開発者10万人がイノベーションの原動力
電気自動車(EV)大手・比亜迪(BYD)のブレードバッテリーは、正極にリン酸鉄リチウムを利用したリチウムイオン電池で、その形が「ブレード」のようであることから、このようなネーミングとなった。
BYDの廉玉波(リエン・ユーボー)首席科学者(自動車チーフエンジニア、自動車工学研究院院長)は、「従来のリン酸鉄リチウム電池と比べると、約40%のスペースを節約できている。ブレードバッテリーは、電池のエネルギー密度が高まっているほか、革新的な構造となっているためシャシーに直接取り付けることができ、スペースの利用率やシステムの安全性が大幅に高まっている」と説明する。
自動車業界はこれまで長い間、安全性と長い航続距離を兼ね備えた電池を実現することができなかった。しかし、BYDはリン酸鉄リチウム電池の材料の安全性を確実に確保することをベースに、長年にわたり蓄積してきた技術を駆使して、2020年3月にブレードバッテリーの研究開発に成功した。技術にこだわって生まれたブレードバッテリーは比BYDのエース格の商品となっている。
ブレードバッテリーやPHEV技術「DMテクノロジー」から、駆動制御システム「易四方」、車体制御システム「雲輦系統」、スマートアーキテクチャ「璇璣」に至るまで注目を集める革新的な技術が、BYDが前進し続ける新たな原動力となっている。
現時点で、BYDには研究開発者が10万人以上在籍し、技術研究院が11院設置されている。 技術の「ソロバン」を弾き続けることで、中国の自動車メーカーの発展の可能性は拡大し続けている。中国自動車工業協会のデータによると、中国の独自のブランドの海外市場のシェア率は上昇し続けている。今年上半期(1-6月)、中国の国産新エネ車の輸出台数は前年同期比13.2%増の60万5000台に達した。
新たな1172シーンを創出して新体験を提供
「ニューモデルの車が完成してから、通常8~10カ月かけて、何度もテストを重ね、それから発売して、ユーザーに届けられる」と話す長安汽車ソフトウェア品質副チーフエンジニアの豆剣(ドウ・ジエン)さんが、この十数年の間に行った化石燃料車やハイブリッド車、新エネ車のテスト走行距離は12万キロ以上に達している。
新しいシーンや新機能が消費者に次々と新体験を提供すると同時に、企業もさらに大きな市場をゲットするようになっている。
「問題は会社に報告するべきで、ユーザーに負担をかけるわけにはいかない」というのが、豆剣さん率いるチームが前進し続けるためのモットーとなっている。一人でも多くの人に新エネ車に知ってもらい、さらに多くのユーザーの新ニーズを掘り起こすべく、豆剣さんは2020年から、ある動画プラットフォームにアカウントを立ち上げ、今ではフォロワーの数が6万人近くにまで増えている。
長安汽車傘下のEVブランド「長安啓源」は2日、最新の納車データを発表した。7月の納車台数は1万2445台で、今年1-7月の納車台数は累計8万5413台となり、7カ月連続で1万台越えを達成した。2030年をめどに、長安汽車は2000億元(約4兆円)の資金を投入するほか、テクノロジーイノベーションチームのメンバーを1万人以上増やし、スマート化や新エネルギー、プロスペクティブテクノロジーといった分野のレイアウトを継続的に強化する計画だ。
ローカライズ率90%以上の産業チェーンがエコノミーに
中国の新エネ車産業は現在、加速しながら拡大している。川上・川下の中小企業はその勢いに乗って、エコロジーを頼りに成長し、産業チェーンの重要な下支えとなっている。
データによると、整った産業チェーンを拠り所とし、中国の主流新エネ車メーカーのパーツのローカライズ率は90%を超えており、一部のメーカーではその数字が95%以上に達している。
浙江省寧波市にある高級車ブランド・領克汽車(LYNK&CO)の余姚工場では、72秒につき1台の新エネ車がラインオフしている。そこから3キロ離れた場所にある麦格納座椅では自動車のシートが生産されており、完成から数時間後にその工場に運ばれて、自動車に取り付けられている。
「領克汽車」の新エネ車プロジェクトが「中国-イタリア寧波エコロジカルパーク」で実施されて以来、すでに自動車の関連企業17社も相次いで同地に進出した。
麦格納の黄飛(ホアン・フェイ)副総経理は、「以前、車のシートの生産量は1カ月当たり4000席ほどだった。しかし、今では1万席近くに増えた。2018年に中国-イタリア寧波エコロジカルパークに進出した時、当社は従業員100人ほどの小企業だった。でも現在は倍増している」と笑みを抑えきれないといった様子で語った。
浙江省余姚市ではすでに、完成車や軽量化自動車部品、動力電池システム、車載光学設備などの製造が一体となった産業の基礎がおおよそ築き上げられ、川上・川下の企業が加速しながら、同地に集まるようになっている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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