中国製EVが重圧にさらされる―独メディア
Record China / 2024年8月29日 6時0分
27日、独ドイチェ・ヴェレは、欧米による中国製電気自動車(EV)関税引き上げの影響について論じたドイツメディアの報道を紹介する記事を掲載した。
2024年8月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、欧米による中国製電気自動車(EV)関税引き上げの影響について論じたドイツメディアの報道を紹介する記事を掲載した。
記事は、カナダ政府が近ごろ米国にならって中国製EVに100%の制裁関税を課す決定を下したと紹介。独紙ハンデルスブラットが「関税の捲土重来(けんどちょうらい)は、世界の貿易が新たな段階に入ったことを意味する。米テスラがカナダのために上海工場でEVを生産していた良き日々はもはや戻ってこず、テスラはコストの高い欧米工場やカナダでの生産を余儀なくされることになった」と評したことを伝えた。
そして、同紙が「西側にとって関税は、中国の国家資本主義が公平な貿易の原則を無視し、重要な戦略産業に巨額の補助を自国企業に与えて市場シェアを奪っているという不公平な状況をただすためのもの」としつつ、新たな関税競争で被害を受けるのは「長きにわたり中国の廉価な製品を享受してきた消費者。彼らは今後、より高い価格に慣れることを求められる」と指摘したことを紹介している。
また、ドイツ週刊誌フォークスが、中国のEV大手BYDが欧州市場で技術問題や販売が思わしくない状況を抱えているとしつつ「中国の自動車産業を理解している人なら分かるだろうが、中国人の戦略は長期的だ。BYDの責任者は今は傷口をなめる必要があるが、一方で力を蓄えて近い将来競争相手に再び打撃を与えることになるだろう。なぜなら、中国には投資に使える大量の流動資金という非常に大きな優位性があるからだ。しかもBYDはハンガリーなど欧州での現地生産を始めようとしている」と論じたことを伝えた。
同誌によると、BYDの新たな欧州攻勢は価格戦という形で現れる可能性が高いという。同誌は「EVを購入したい消費者にとってはグッドニュースだ。中国の競争者によってもたらされる圧力が強まるほど、個人が自動車を購入する価格は安くなるのだから」と結んでいる。(編集・翻訳/川尻)
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