中国、ペルーを南米戦略拠点に―リマ郊外の新港運営権を獲得、「一帯一路」構想の一環
Record China / 2024年9月9日 9時30分
11月に習主席が新港落成式に出席の情報も
こうした中、中国の新たな南米戦略の重要拠点がペルーになるのではないかとの見方を裏付けるようなプロジェクトが進行中である。首都リマの北方約70キロのチャンカイ市で中国の巨額支援で総額35億ドル規模の大型港湾建設が進められている。これが完成すれば、ペルーから鉱産物など主要産品を中国や東南アジア諸国に大量に運ぶことができ、輸送時間も2週間短縮されるというメリットがある。一方、中国にとってはチリ、ボリビアなど他の南米諸国や中米各国へのさらなる進出のハブ港にすることができる利点があるとされる。
実はこのプロジェクトの協定締結まで紆余曲折があった。同プロジェクトのペルー側関係者によれば、2000年に中国国営の海運大手「中国遠洋海運集団」の子会社である「中遠海運港口有限公司」が新港の管理会社の株式の60%を取得、翌21年にペルーの国立港湾局(APN)と新港の独占的運営権に関する協定に調印した。ただ、その後、APNが「行政上のミス」を理由に協定無効を主張する異例の事態が起きた。ペルーの政治アナリストは「ペルーが中国に向こう30年間の運営権を与える上、その後も中国が運営権を維持できるといった協定内容にペルー国内で反対論が起きため、APNが『行政上のミス』として協定をご破算にしようと試みた」と推測する。中国側は一時、契約違反と非難し、国際裁判に持ち込む動きを見せた。
しかし今年6月、ペルー議会で協定の締結を事実上容認する法案が成立、問題解決への道が開かれた。ボルアルテ大統領は同法案に署名し、訪中の際の“手土産”にしたとの見方が専ら。習近平主席は11月にペルーで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席の折、チャンカイ新港の落成式に臨むとの情報も流れており、そうなれば中国の南米戦略に一段と弾みがつくことになろう。
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