香港では小売業が青息吐息、大陸客が財布のひも締めて爆買いせず―香港メディア
Record China / 2024年9月10日 6時0分
香港(写真)では高級品販売を中心に小売業が青息吐息の状態だ。大陸から観光客は戻って来たが財布のひもを締めてショッピングに大金を投じないからという。
香港メディアの香港01はこのほど、新型コロナウイルス感染症対策の移動の規制が緩和されても、大陸からきた観光客は「財布のひもを締める」傾向が顕著で、香港における「小売業の黄金期」はすでに終わったと紹介する記事を発表した。
特に大きな打撃を受けているのは高級品販売店で、香港の九竜半島南端の繁華街の尖沙咀にある人気スポットの1881ヘリテージに入居する小売店はわずか3店舗にまで減少したという。香港政府によると、2024年1-7月には香港を訪れた観光客が前年同期比で52.2パーセントも増加したが、小売総売上高は前年同期比で7.3%減少した。また、香港でのショッピングの大きな魅力にはさまざまな店でさまざまな商品を入手できることもあったが、最近では不動産の賃貸料などの要因により、店舗の種類が画一化する傾向があるという。
米テレビ局のCNBCによると、世界的な不動産コンサルタント会社であるナイトフランクの李敏雯アジア太平洋地域調査主管は、中国大陸の中流階級の旅行客が香港での購買を減らしている背景には、経済の減速により不動産市場の低迷、消費パターンの変化、雇用見通しの不透明さ、旅行嗜好の変化が発生しており、貯蓄が一層重視されるようになったことがあると説明した。
李主管は、感染症の流行後に中国人消費者には「物よりも体験を重視」という現象が発生し、この価値観の変化が高級品販売の低迷につながっていると指摘した。かつては大陸人客の高額な腕時計やバッグ、宝石の購入に大きく依存していた香港の小売業は、大きな試練に直面しているという。
23年に、香港で宿泊した大陸人客の一人当たりの支出額は6495香港ドル(約11万9000円)で19年より8.4%増加したが、宿泊しなかった大陸客の一人当たりの支出額は19年比で37%減少してわずか1383香港ドル(約2万5000円)にとどまった。(翻訳・編集/如月隼人)
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