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高齢化が急進行する中国、退職年金は2035年に財源枯渇の計算

Record China / 2024年9月9日 5時30分

また、投資の傾向も年齢層によって違う。西南財経大学の家庭金融調査研究センターの19年「中国家庭金融調査(CHIFS)」によると、高リスク資産への偏好率は、40歳未満で18%、40~60歳で6%、60歳を超えると4%で、年齢が上がるにつれて高リスク投資を好まなくなる。

中国の高齢者扶養比率は23年には22.5%にまで上昇し、「5人の若者が1人の高齢者を養う」ことになった。育媧人口研究の「中国人口予測報告2023」によると、30年には高齢者扶養比率が27.3%に、50年には52.4%に達する。つまり「若い世代の2人が高齢者1人を支える」ことになる。このことは、働く年代の年金負担が鮮明に増加することを意味する。また、退職年金は不可避的に収支の欠損が生じ、公共年金制度の持続可能性の脅威になる。中国社会科学院の「中国年金精算報告2019-2050」は、退職年金の収支が28年には不均衡になり、35年には累積残高が尽きると予測した。

任沢平氏のチームは、中国が移民と若年労働力を受け入れることを提案している。OECDの『2023年国際移民展望』によると、多くの国が労働力不足を緩和するために移民労働者を増加させている。カナダは移民数の獲得目標を増やし、イタリアやノルウェーは外国人労働者の受け入れ枠を拡大させた。しかし、大量の移民受け入れは文化の融合や社会的統治上の問題を引き起こす可能性がある。

出生率の向上も重要な課題だ。任沢平氏のチームは、出産支援体制を構築することが必要で、一方で実質的な補助金を通じて出産と育児の費用負担を軽減し、他方で家庭と仕事のバランスを促進し出産意欲を高める政策が必要と提言した。

任氏らはさらに、段階的な退職年齢の引き上げを実施し、退職年齢を予想寿命に連動させることで高齢者の就業を支援することを提案した。実際に、デンマークは退職年齢を67歳から74歳に引き上げ、エストニアは64.3歳から71歳に、イタリアは64歳から71歳に引き上げるなど、OECD諸国の中で50%以上の国が退職年齢の引き上げを実施した。(翻訳・編集/如月隼人)

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