中国が世界で最も整った海洋微生物遺伝子バンクを構築―中国メディア
Record China / 2024年9月11日 16時40分
華大生命科学研究院は、世界的にも最も整った海洋微生物遺伝子バンクを構築し、その中から応用のポテンシャルを備えた多くの遺伝資源を発見したことを明らかにした。資料写真。
「千種海洋生物ゲノムシーケンシングプロジェクト」並びに世界海洋微生物遺伝子バンク構築・応用成果共同発表会が5日、山東省青島市で開かれた。記者会見において、華大生命科学研究院は山東大学などと共同で、現時点で、世界的にも最も整った海洋微生物遺伝子バンク「The Global Ocean Microbiome Catalogue(GOMC)」を構築し、かつその中から応用のポテンシャルを備えた多くの遺伝資源を発見したことを明らかにした。中国新聞社が伝えた。
華大生命科学研究院の范広益(ファン・グアンイー)研究員によると、GOMCはすでに公開されている海洋ゲノムデータバンク「Tara Ocean」の3倍、プロテインデータバンク(PDB)の60倍となっている。GOMCはすでに中国の国家遺伝子バンク生命ビッグデータプラットフォームに保存されている。また、応用のポテンシャルを備えた遺伝資源の関連研究成果はすでに学術誌「ネイチャー」に掲載されている。
科学研究者はGOMCの構築において、現在公開済みの240Tb近くの海洋微生物メタゲノムデータの再分析を行った。GOMCは4万3100以上の海洋微生物ゲノムと24億5800万の遺伝子配列を有している。そのうち2万以上の微生物は潜在的な新発見種で、1万近くの微生物は独特な生存環境で初めて発見された。
科学研究者はGOMCの研究において、潜在的な応用の価値を備えた新型Cas9編集システム(Om1Cas9)を見いだした。これは中国の遺伝子編集ツールの使用において、より多くの独立性と選択肢を手にする一助となる。また、10の顕著な抗菌活性と広範囲抗菌効果を備えた新型抗菌ペプチドを発見した。この成果の応用は抗生物質の薬剤耐性の難題に向け新たな解決策を提供する可能性がある。さらに三つの深海由来の高活性新型塩好性PET分解酵素を発見した。これはPETのグリーン・低炭素・持続可能な利用の実現を後押しする可能性がある。
情報によると、GOMCは中国(山東)自由貿易試験区青島エリアと華大生命科学研究院所属の青島華大基因研究院が共同で実施する「千種海洋生物ゲノムシーケンシングプロジェクト」の重要な構成部分となる。同プロジェクトの主な内容は、海洋生物の遺伝子試料採取や高深度ゲノムシーケンシングなどとなっている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
イエネコの高精度なゲノム解読と未解明の遺伝子群の発見
PR TIMES / 2024年11月22日 11時45分
-
ゲノム編集によって遺伝子の働きを部分的に抑える新しい技術の実証実験に成功
PR TIMES / 2024年11月18日 17時15分
-
「神舟18号」で地球に戻った「宇宙からの特産品」、28の科学実験プロジェクトに関係―中国
Record China / 2024年11月5日 13時20分
-
最古の光合成生物「シアノバクテリア」の新しい光利用システムを発見-ロドプシンによる環境適応の軌跡が明らかに-〔海洋研究開発機構, 東京大学, 理化学研究所, 岡山大学, 科学技術振興機構〕
PR TIMES / 2024年11月4日 12時45分
-
最強生物クマムシの新種、“人が即死レベルの放射線”を浴びると活性化 中国チームが発表
ITmedia NEWS / 2024年10月31日 8時5分
ランキング
-
1軍事費「増額続ける」=トランプ氏に配慮―前台湾総統
時事通信 / 2024年11月24日 15時29分
-
2COP29 途上国支援「年46兆円」で合意 「目標額が少なすぎる」の声も
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月24日 11時43分
-
3韓国政府、佐渡で25日に独自追悼行事開催
共同通信 / 2024年11月24日 16時4分
-
4ガザ全域をイスラエル軍が攻撃、48時間で少なくとも120人死亡…レバノンでは空爆で20人死亡
読売新聞 / 2024年11月24日 18時47分
-
5飲料にメタノール混入か、ラオスで外国人観光客6人が相次ぎ死亡…日本大使館も注意呼びかけ
読売新聞 / 2024年11月24日 15時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください