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「鬼滅の刃」成功の秘密(1/2)ストーリーとキャラクター設計―中国メディア

Record China / 2024年9月17日 0時0分

続いて、同作の中心には、「家族と責任」というテーマがあると指摘。「炭治郎が妹の禰豆子を守ろうとするのは、単に血縁の絆だけでなく、彼が強く感じる責任感にも基づいている。鬼と化した妹を救うだけでなく、彼は自分が唯一の守護者であるという重荷を背負っている。この責任感は、単純なヒーローの使命感を超えた、炭治郎の内面的な優しさと深く結びついている。彼は鬼と対峙(たいじ)する際、かつて人間であった鬼たちの苦しみや無力さを感じ取る。この設定は物語に感情的な深みを与え、視聴者は単なる正義と悪の戦いではなく、妹を救いながら鬼と戦う、炭治郎の人間性に対する深い洞察を見ることができる。このような温かさと痛みを伴った感情の葛藤が、『鬼滅の刃』の感情的な緊張感を一層引き立てている」と論じた。

さらに、「キャラクター設計」も成功要因の一つだとし、「『鬼滅の刃』に登場するキャラクターたちは、単純なヒーローや悪役の枠に収まらず、それぞれの成長や感情的な葛藤、内面的な衝突を通じて豊かな多面性を持つように描かれている。主人公である炭治郎の優しさ、忍耐力、責任感は物語全体の核心だ。炭治郎の性格は攻撃的ではなく、むしろ同情心と家族への強い責任感によってに突き動かされている。彼は鬼と戦う一方で、鬼の苦しみや人間性の複雑さを理解しようと常に葛藤している」と説明した。

また、「禰豆子のキャラクター設定も非常にユニークだ。彼女は鬼になりながらも、人間としての感情や理性を保っている。彼女は単に炭治郎に守られる存在ではなく、戦いの中で強大な力と意思を発揮する。彼女の存在は、人間性と獣性の対立とバランスを象徴しており、視聴者の深い共感を呼び起こしている。我妻善逸(あがつまぜんいつ)と嘴平伊之助(はしびらいのすけ)の性格は対照的だが、物語に軽妙さやユーモアをもたらすだけでなく、炭治郎との友情や成長の過程を通じて感情的な深みを与えている。善逸は臆病でありながらも、極限状態での覚醒力を持ち、伊之助は野性的な性格ながらも次第に炭治郎たちと打ち解け、仲間意識を育てていく。これらの個性豊かなキャラクターたちが視聴者の注目を引き、物語の推進力となっているのだ」と考察した。

記事はこのほか、「『鬼滅の刃』における敵役のキャラクターの描写も非常に優れており、とりわけ鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)は単なる力の象徴に留まらず、絶対的な恐怖と冷酷さの化身として、物語の中で圧倒的な脅威を放っている。ほかの鬼たちもそれぞれ異なる背景や動機を持ち、単に討伐される敵でなく、悲惨な過去を持つ複雑なキャラクターとして描かれている。例えば、炭治郎が敵と戦う中で、彼らが鬼になる前の人間としての過去や背景を垣間見ることがあり、これが人間性についての深い思考を引き起こす。こうした描写を通じて、物語は単純な善悪の二元対立を超え、敵役にも感情的な深みが与えられている」と述べた。

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