1978年以来!中国で退職年齢を引き上げ、少子高齢化に伴う労働力不足などに対応
Record China / 2024年9月17日 5時0分
中国では、法定退職年齢が段階的に3~5歳引き上げられる。少子高齢化に対応するため。現行の退職年齢が定められたのは1978年だった。写真は通勤者などでにぎわう南京市内の地下鉄の駅。
中国の全国人民代表大会常務委員会(全人代常委)は13日、来年(2025年)から15年をかけて、現行の定年退職年齢を段階的に3~5歳引き上げることを決定した。男性の賃金労働者の法定退職年齢は63歳に、女性労働者は55歳、女性幹部は58歳に引き上げる。本人が希望すれば、さらに3年間勤続することもできる。つまり、男性は66歳まで働くことができる。中国の現行の法定退職年齢は1978年に定められたもので、ほぼ70年ぶりの改正ということになる。全人代常委は発表に当たって「わが国の人口発展の新たな情勢に適応して、人力資源を十分に利用するため」などと説明した。
全人代常委の決定によると25年1月1日から、現行で法定定年が満60歳である男性従業員は、定年を4カ月ごとに1カ月遅らせて最終的に満63歳にする。女性従業員の場合には法定定年を2カ月ごとに1カ月遅らせて満55歳にする。幹部職の女性については、定年を4カ月ごとに1カ月遅らせて最終的に満55歳にする。
中国政府はまた、退職後に基本年金を受け取るための、保険料の最低納付期間を現在の15年から20年に引き上げると発表した。30年1月1日から、最低納付期間を毎年6カ月追加する。定年に達した時点で最低納付期間を満たしていなかった場合には、定年後に納付を継続したり一括納付することで最低納付年限の条件を満たしたと見なす。
今回の法定退職年齢の改正では、従業員が本人の意志を反映できる弾力的な仕組みも導入された。すなわち保険料の最低納付年限を満たしていれば、法定退職年齢に達していなくても退職することができる。ただし、定年扱いでの退職が可能なのは、その時点での法定退職年齢までに残している期間が3年間以内で、かつ、現行の法定退職年齢を越えていなければならない。逆に、法退職年齢に達しても退職を望まないものは、最長で3年間まで勤続することができる。
中国政府の王暁萍(ワン・シャオピン)人力資源社会保障相は13日の記者会見で、「中国の経済および社会と人口構造には重大な変化が生じており、中華人民共和国成立初期には40歳前後だった中国人の平均寿命は、現在では78.6歳にまで伸びた。定年の調整は人的資源が持つ利得をよりよく解放することができる」と述べた。
王暁萍人力資源社会保障相はまた、労働年齢人口は12年から減少しつづけており、現在では1年に平均で300万人以上減少していると説明。さらに、今後も労働年齢人口が総人口に占める割合がさらに低下すると指摘し、退職を遅らせることにより「労働年齢人口の減少傾向を緩和し、経済と社会の発展の活力を維持することができる」と述べた。また、人によって定年退職の時期についての要望は違っているので、制度に弾力性を持たせたという。
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