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中国は「この時期」を選んで原発処理水の海洋排出で日本と合意―香港メディア

Record China / 2024年9月23日 11時0分

日本の次期政権もにらんだ中国外交の動き

中国側の状況としては、日本が過去1年間に8回に分けて累計6万2500トンの処理水を海洋放出した現実に直面して、日本に方針を変換させることは容易でないことを理解した。さらに香港政府が実施している、日本産の水産品の放射線レベルの毎日の検査の結果からも、重大な汚染の証拠は見いだせていない。日本側の譲歩を受けて中国側が合意したことは、中国にとって外交の成功と見なすこともできる。なぜならば、「輸入は不可」と言い出した以上、そのままでは輸入再開はできず、日本側との議論は平行線をたどるだけだが、日本を譲歩させたことで「輸入を徐々に再開」という新たな選択肢を得られたからだ。

中国側の事情としては、日本の自民党総裁選挙を1週間後に控えていたタイミングも重要だった。この時期に原発の処理水の海洋放出について日本と合意したことを発表したことは、日本の新指導部が誕生する直前に「オリーブの枝を差し伸べて」善意を示したことに他ならず、今後の2国間関係の改善に有効だからだ。

さらに原発の処理水の海洋放出について日本と合意したことで、香港の地域包括的経済連携協定(RCEP)加盟の実現の可能性が高まることになった。香港がRECEPに加盟するためには既存の15加盟国が全て同意する必要があるが、原発の処理水の問題が解決できていないと、日本が反対する可能性も排除できなかった。つまり中国は、原発の処理水の問題を解決したことで、香港のRECEPについて日本の支持を得やすくなった。

日本人男児殺害事件を両国の関係改善に影響させてはならない

しかし、満州事変勃発の日である9月18日に日本人男児が深センで殺害されたことは、中国にいる日本人の神経を揺さぶり、在中日本人の安全が懸念されるようになった。中日関係および外交に改めて波乱が発生することになった。中国外交部とメディアはこぞって、この不幸な事件に遺憾の意を表明し、個別の事件であると強調し、「子供への襲撃は恥ずべき臆病者による許せない極悪非道の行為」「愛国とは関係がない」などと論評した。さらに中国当局は、いかなる暴力行為も決して容認しないと表明し、法に基づき犯罪者を調べて厳罰に処すとともに、観光、学習、ビジネスなどの目的で中国を訪れた外国人の安全を確保し、同種の事件の再発を防ぐための有効な措置を取ると表明した。

両国関係がある程度改善されている状況にあって、双方は日本人児童の殺害を慎重に扱って適切に処理すべきだ。憎しみや極端な感情に支配されて不合理な選択をして、2国間の正常な経済関係や文化交流、各種協力に悪影響を及ぼしてはならない。(翻訳・編集/如月隼人)

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