日本が「投資立国」に転換するメリットと問題点―中国メディア
Record China / 2024年9月27日 8時0分
23日、環球時報は日本が「貿易立国」から「投資立国」へと転換するメリットと問題点について論じた。
2024年9月23日、中国メディアの環球時報は、日本が「貿易立国」から「投資立国」へと転換するメリットと問題点について論じた記事を掲載した。
記事は、日本政府は先ごろ発表した今年1〜6月の国際収支状況で、第1次所得収支が過去最高の19兆2000億円の黒字となったことを紹介。日本経済の構造に大きな変化が起きていることの表れであり、日本経済は静かに「貿易立国」から「投資立国」へと転換しつつあると評した。また、経済産業省によると、2022年までに日本企業の海外子会社数は2万4400社に達し、世界中で557万人を雇用しており、海外生産は日本の製造業全体の27%以上を占めていると伝えた。
その上で、「投資立国」として日本企業が積極的に海外投資を行うメリットについて、米国からの貿易圧力を効果的に軽減できること、日本企業が国内の需要不足を海外で補填できること、日本企業が経済グローバル化の恩恵をより多く享受できることの3点を挙げるとともに、グローバル化が日本企業にとって技術革新の重要な源泉となり、国際競争力を構築する重要な礎となること、世界各地での経営の実践が日本企業に革新を促し、自国に持ち帰って導入することでさらに成長が期待できることもメリットとして言及した。
一方で、日本企業による海外進出活発化が日本経済を長期間低迷させた原因の一つであることも否定できないと指摘。海外への大量の資本流出は日本国内の資本蓄積のペースを大幅に鈍化させ、投資による経済波及効果に深刻な打撃を与えたほか、生産能力の海外移転が国内産業の空洞化を深刻化させたとした。さらに、日本企業による海外収益の国内還元不足という現象も生じており、日本政府が今年4月に海外収益の還元を促進する方法について議論する専門家シンポジウムを開催したほか、還元資金に対する減税などの措置も検討し始めていると伝えた。
記事はこのほか、国際情勢が激動し、地政学リスクが高まっていることも海外投資にとっては大きなリスクになっているとし、ロシア・ウクライナ戦争では22年9月以降、トヨタ、日産、マツダといった日本の自動車メーカーが相次いでロシア工場の閉鎖を発表し、トヨタと日産は1000億円以上の損失を被ったと紹介した。(編集・翻訳/川尻)
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