深センの日本人男児殺害事件の教訓―台湾メディア
Record China / 2024年9月27日 14時0分
25日、台湾メディア・中時新聞網は広東省深セン市で発生した日本人児童刺殺事件について、「憎悪教育への抵抗こそ、われわれにとって最も大きな教訓」とする記事を掲載した。
2024年9月25日、台湾メディア・中時新聞網は広東省深セン市で発生した日本人児童刺殺事件について、「憎悪教育への抵抗こそ、われわれにとって最も大きな教訓」とする記事を掲載した。
記事は、深センでの日本人児童刺殺事件は日中関係に影を落とし、多くのメディアが中国の憎悪教育、反日心理こそ最大の責任だと論じており、一部の人からは「中国はもはや日本への憎悪の歴史を教えるべきではない」との意見も出ていると紹介する一方、抗日戦争の歴史は事実であり、「憎悪教育と歴史教育の間でバランスの取れた現実的な歴史観を見出すにはどうすればよいのだろうか」と疑問を提起した。
そして、憎悪教育は歴史教育とは異なり、民族主義の台頭や民族全体への憎悪につながると指摘。かつて台湾で行われ、共産主義政権下のソ連を悪の帝国として描き、ロシア人を悪魔扱いしていた反共教育、あるいは中国本土で日本の軍国主義を批判し、日本人全体を悪者扱いすることなどを例として挙げた。
その上で、憎悪教育は理性的でなく、「体制や軍国主義に反対することはやぶさかではないが、その国や文化に丸ごと反対することはナンセンスだ。ロシアにはトルストイやチェーホフ、日本には紫式部、川端康成、井上靖、矢内原忠雄といった優れた作家や学者がいるように、戦争に反対し平和を訴える人まで憎むことができるだろうか」と論じた。
また、現在の台湾の支配層もまた、中国本土に対する憎悪教育の傾向があると主張。反中国から反中国人、反中国文化へと向かい、中国文明の古代の神々、民間信仰、文学作家、芸術家さえも排除する状況になっているとし、台湾の教育と社会は憎悪教育の極端な方向に向かうことを避けなければならないと訴えた。
記事は、憎しみは偏見と誤解につながるだけであり、さらには内部対立を起こして互いを傷つけ合うことになり、これによって最も傷つくのは「自分自身の心だ」と指摘。「憎悪に満ち、愛のない心は、空洞で空虚なものだ。憎悪教育に抵抗することは、深センの事件が私たちに教えてくれた最も痛みを伴う教訓だ」と結んだ。(編集・翻訳/川尻)
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