石破政権下で日中関係はどうなるか―香港メディアが分析記事
Record China / 2024年9月29日 11時0分
香港メディアの香港01は27日、石破茂氏の自民党総裁当選を受けて、10月1日の臨時国会で発足する石破政権下で、日中関係がどのような状況になるかを分析する記事を発表した。
石破茂氏は自民党総裁選で、競争者である高市早苗氏や小泉進次郎氏を抑えて新総裁に選出された。日本の政界のこの変化は、日中関係にとって良い面もあれば、悪い面もある.
良い面は、石破氏の立場が落選した高市氏や小泉氏ほど「反中」ではなく、石破氏の歴史問題についての考えは中国や他の関係国が受け入れやすいことだ。
石破氏はまた、「中国が日本に脅威を与えるとは思わない」と公言し、公開の場で「中国と良い関係を築く」と述べたことがある。日本の民間ではここ数年、反中感情広がり、メディアや政界でも「中国脅威論」が普遍化した。石破氏の主張は中国にとって非常に有利な面がある。
また歴史問題では、石破氏はA級戦犯を靖国神社から分祀することを主張している。2002年から防衛大臣に就いていた時期に、靖国神社を参拝したことはない。日本の政界で、こういった姿勢を取ることは容易ではない。歴史問題は日中、日韓、日朝の間に横たわっており、日本と周辺3カ国との関係に影響を与える最も重要な問題の一つだ。石破氏の靖国神社の問題についての立場は、全体的に実務的で穏やかだ。
石破政権の下で日中関係に悪影響を与える可能性があるとすれば、まず米中関係に新たな衝突が発生する事態が考えられる。というのは、日本の外交政策は米国の顔色を見て行われるからだ。また、日中間にも石破政権の掌握能力を超える突発的な事件が発生する可能性はある。しかし、そうでなければ石破政権の期間中に日中に大きな衝突はないはずだ。
しかし石破氏のこれまでの言動を見ると、日中関係にとって非常に危険な面が2つある。まず台湾問題だ。石破氏は極めて台湾寄りであり、台湾との縁は非常に深い。先日も台湾を訪問して頼清徳氏らと会談した。両者は台湾と日本の防衛問題について意見を交換し、石破氏は、もし台湾が中国軍に攻撃されたら、日本は「抑止力」を発揮すると述べたという。
石破氏は安倍政権の「台湾有事は日本の有事」との立場を継承する可能性が高く、台湾と日本の関係は強化され続けるだろう。特に現在の台湾は頼清徳政権下にある。頼氏には「私は実務的な台湾主義者」との発言もあり、国際協力の強化を通じて彼の台湾独立の夢を実現することを提案していることを考慮すれば、台湾問題は、今後の日中間の「起爆材料」になる可能性がある。
次に軍事面では、石破氏は軍備拡張、さらにはアジアの秩序を維持するために「アジア版NATO」の設立を主張したことがある。現在の危険な情勢は、米国が中国の軍事脅威に対応することを理由に、日本やフィリピンなどで軍事協力と配備を強化し、さらにNATOをアジアに誘導していることだ。石破氏の地政学上の主張は米国の戦略方針と極めてよく合致している。
だから石破氏の首相在任中、米国の日本でのミサイル配備は加速し、日本自身の軍需工業と海と空の作戦力、長距離戦闘能力はさらに向上するはずだ。日本は域内国家の有利さを利用して米国のために駆け回り、東南アジア諸国との軍事と安全での協力を強化するはずだ。中国にとって、日本のそうした動きは極めて深刻に中国に対して突き付けられた戦略上の挑戦だ。日中間では今後、この分野をめぐる問題が激化する可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人)
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