中国の研究者、「塩湖リチウム抽出」技術を開発―中国メディア
Record China / 2024年10月1日 11時30分
中国の研究者が「塩湖リチウム抽出」技術を開発した。
南京大学によると、同大学の朱嘉教授、中国科学院の陳駿院士らは、塩生植物の蒸散プロセスを模倣することで、塩湖の塩水から効率的かつ環境に優しい方法で高純度リチウム塩を抽出することに成功した。中国の高原塩湖リチウム産業のグリーンで質の高い発展を後押しする見込みだ。国際的学術誌「サイエンス」が27日、関連成果を発表した。新華社が伝えた。
論文の筆頭著者で、南京大学特任副研究員の宋琰氏は、「電気自動車(EV)バッテリーなどのエネルギー貯蔵材料における重要鉱物としてのリチウムは主に、塩湖の塩水と固体鉱石という2種の形態で存在している。中国の高原地域には多くの塩湖が分布しており、リチウム資源が豊富だが、湖水の『マグネシウム・リチウム比』という重要指標が高く、マグネシウムとリチウムの分離が難しく、生産されるリチウム塩は高コストの割に低品質だ。高原地域は生態系が脆弱で、関連産業に対する環境保護の要求が厳しい」と説明した。
同大学の科学研究チームは、塩生植物は塩アルカリ環境で蒸散作用を通じ、塩分と水分を選択的に吸収することに思い至った。蒸散作用の原理を模倣することで、チームは「界面光熱」塩湖リチウム抽出「装置」の開発に成功した。この装置は3層に分かれる。太陽光を浴びると、蒸散装置のナノルート内で超高圧が発生し、高圧がイオン分離層に伝わると、塩水中のリチウムイオンを選択しそれを貯蔵層に「追い払い」、最後に水循環システムにより貯蔵層のリチウム塩が収集される。 宋氏は「実験室でシミュレーションした昼夜交代と塩湖の塩水環境において、この装置は528時間連続で稼働した。その水の『マグネシウム・リチウム比』は最初の422から2.5に低下し、リチウムの純度が160倍超上がった。これは装置全体の実行可能性と高効率を検証した」と述べた。
そして、「モジュールの組立により、この装置の面積を持続的に拡大し、リチウム塩の生産量を増やすことが可能だ。より重要なことは、この装置が太陽光だけで稼働でき、電力や化学薬剤を追加する必要がないことだ。特に日照資源が豊富だが生態環境が脆弱な高原地域での使用に適している。エネルギー消費が少なく、環境にも優しい」と続けた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
EV電池のリチウム回収率91%に―中国
Record China / 2024年11月25日 11時30分
-
アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草原は関心薄く
ロイター / 2024年11月24日 7時52分
-
リュウグウの砂粒から見つかった塩の結晶 - 宇宙空間を解き明かす新たな鍵に
マイナビニュース / 2024年11月22日 18時11分
-
アドベンチャーに力を与える優れたトローリングモーター用バッテリー Power Queen 12V 280Ah 低温対応ディープサイクルリチウムバッテリー
PR TIMES / 2024年11月12日 10時45分
-
中国金属大手、南米のリチウム開発から突如撤退 青山控股集団、新エネルギー事業の前途に暗雲
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 18時0分
ランキング
-
1「トイレ流せない…」水道代にも値上げの波 千葉で水道代を2割“値上げ”方針 住民からは悲鳴も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 21時9分
-
2なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース / 2024年11月25日 23時10分
-
3関西財界訪中団、邦人の安全確保に懸念 短期ビザ免除再開に期待も 投資意欲は持続
産経ニュース / 2024年11月25日 18時19分
-
4薄力粉値上げ=パスタ製品は値下げ―日清製粉ウェルナ
時事通信 / 2024年11月25日 17時23分
-
5政府、次世代太陽電池を導入へ 40年度目標、20ギガワット
共同通信 / 2024年11月25日 21時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください