イスラエルを支持することは米国にとって何を意味するか―独メディア
Record China / 2024年10月8日 7時0分
7日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中東地域紛争において米国がイスラエルを強く支持している背景について論じた記事を掲載した。
2024年10月7日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中東地域紛争において米国がイスラエルを強く支持している背景について論じた記事を掲載した。
記事は昨年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルへの攻撃を開始し、イスラエルがハマスの完全殲滅と人質解放を目的としてガザ地区に対する大規模な軍事作戦を開始したと紹介。ガザ地区ではこれまでに民間人も含め4万人以上が死亡したと伝えた。また、イスラエル軍とハマスの同盟関係にあるレバノンの武装組織ヒズボラとの武力衝突も激化しており、ハマスの奇襲から1年が経過した7日にイスラエルがレバノンで地上攻撃を開始し、その直前にはヒズボラの指導者ナスラ師を殺害したと紹介している。
そして、中東紛争について米政府高官が「中東での大規模な戦争を回避したい」との考えを示し、停戦と引き換えに人質の解放促進を望むと述べたとしつつ、現実ではイランが1日にイスラエルに対して大規模なミサイル攻撃を開始したため、停戦の可能性よりも紛争激化の可能性の方がはるかに高まっていると報じた。
その上で、バイデン米大統領が2日に「イスラエルへの支援は揺るぎないものだ」と繰り返し強調したことに言及し、イスラエルの最も重要な同盟国である米国はイスラエルへの影響力を強めるべく、ガザ地区への救援物資輸送に取り組んでいると伝える一方で「これは米国とイスラエルの指導者が常に誠実に付き合えることを意味するものではない」と指摘。 米シンクタンクのアトランティック・カウンシルのスコウクロフト中東安全保障イニシアチブディレクターのパニコフ氏が「バイデン大統領とイスラエルの関係と、同大統領とネタニヤフ首相の関係を区別することが重要。両首脳の関係は長年にわたって浮き沈みがあったが、同大統領のイスラエルとその安全保障に対する献身は常に非常に強かった」と述べ、1日にイランが発射したミサイルに対し米国が積極的に迎撃支援を行ったことを例に挙げるとともに、バイデン政権がネタニヤフ氏の意思決定に大きな不満も抱いているとの見方を示したと伝えている。
記事は、米国の有権者にとって国内問題が最も関心のある事項であることは確かであるものの、米国の中東紛争における役割を非常に懸念する声が多く、イスラエルへの支援も選挙情勢に影響を与える大きな要因になりうると紹介。特にアラブ系住民の多いミシガン州では、ハリス副大統領の親イスラエル的な姿勢が一部の人々の投票意向に変化をもたらす可能性があり、その「変化」が激戦州ひいては米国全体に影響を及ぼすかもしれないと指摘し、そうなればハリス氏の大統領当選が難しくなることも考えられるというパニコフ氏の見方を伝えた。(編集・翻訳/川尻)
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