香港警察が数千台の監視カメラ設置を計画、「中国本土に一歩近づく」と米メディア
Record China / 2024年10月13日 9時0分
香港警察が監視能力を高めるために数千台ものカメラ設置を計画。一部の専門家らは香港が監視システムの強化された中国本土に一歩近づくことになると警戒感を示した。
香港警察が監視能力を高めるために数千台ものカメラを設置するという野心的な計画を進めている、と米CNNが伝えた。一部の専門家らは香港が監視システムの強化された中国本土に一歩近づくことになり、監視カメラが抑圧的な効果をもたらす恐れがあるとの警戒感を示した。
香港は常に世界で特に安全な大都市の一つとして位置付けられているが、CNNによると、香港の警察当局者は犯罪と戦うために新しいカメラが必要だと述べ、強力な顔認識および人工知能(AI)ツールをカメラに搭載する可能性を示唆している。
香港警察は今年2000台の監視カメラを新たに設置するという目標を掲げており、その後も毎年これを上回る台数を設置する可能性がある。警察当局者とクリス・タン香港保安局長は西側諸国を含む他の管轄区域でも法執行に監視カメラが広く使われている点を繰り返し言及。「関連法を順守し、厳格な内部指針に従う」としたが、それがどのようなものになるかについて詳細には触れなかった。
英国の技術調査会社の推定によると、香港には政府機関が使用する公共の監視カメラが5万4500台以上あり、人口1000人当たり約7台に相当する。これは米ニューヨーク市とほぼ同等で、英ロンドン(人口1000人当たり13台)にはまだ遠く及ばない。一方、中国本土の都市は人口1000人当たり平均約440台と突出して多い。
この調査会社によると、人口1人当たりの監視が最も厳しい世界の10都市のうち8都市は中国にある。これらの都市では新しい電話番号を登録する際や一部の地下鉄駅の利用する際に顔認識が求められるなど、顔認識は日常生活において避けられないものとなっている。 そしてこの技術はより抑圧的な方法でも使用されている。
米ニューヨーク・タイムズ紙によれば、2022年後半に政府の厳格な新型コロナウイルス感染症対策に反対する前例のない全国規模の抗議活動が発生した際、警察は顔認識と他の高度な監視ツールを使って抗議者を追跡した。
香港警察の計画に対し、一部の専門家は香港が他の場所と異なるのは政治環境だと指摘。権威主義的な中国本土に近づく中、香港では政治的な異議に対する取り締まりが続いていることを挙げた。
米シンクタンク「全米アジア研究所」の研究員、サマンサ・ホフマン氏は「(欧米との)違いは技術がどのように使用されているかだ」と指摘。「米国や英国のような国も、こうした技術をどのように導入するかという問題を抱えているかもしれないが、香港とその他の国や地域は根本的に異なっている。政府の体制と政党国家が自らの権力を維持するために法律を使用する方法に関係している」と語った。(編集/日向)
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