中国の科学者、AI技術でウイルスの「ダークマター」を発見
Record China / 2024年10月13日 18時30分
中国の科学者がAI技術でウイルスの「ダークマター」を発見しました。
中国南部の広東省にある中山大学医学院の施莽教授チームと阿里雲(アリババクラウド)の李兆融氏チームは人工知能(AI)技術をウイルス鑑定に応用し、従来の研究方法では発見できなかったウイルスの「ダークマター」を発見し、ウイルス学研究の新たな道筋を見出しました。関連する成果はこのほど、国際的な学術誌の『セル』に掲載されました。
従来のウイルス発見方法にはウイルス分離やライフサイエンス分野での生物学的なデータをコンピューターで解析するバイオインフォマティクス分析がありましたが、既存の知識に大きく依存しており、また、RNAウイルスという高度に分化し、種類が多く、かつ変異しやすいウイルスでは識別率が低いなどの問題があります。
新たな研究では、チームが開発したLucaProt(ルカプト)人工知能アルゴリズムに、ウイルスと非ウイルスのゲノム配列をディープラーニングさせ、データセット内でウイルス配列を自ら判断できるようにしました。チームはこのアルゴリズムを利用して、世界の生物環境サンプルからの1万487件のRNAの解列データの中から51万以上のウイルスゲノムを発見し、16万を超える潜在ウイルス種と180種のRNAウイルスの大規模分類グループを特定しました。このことで、世界のRNAウイルスの多様性が大幅に拡張されました。うち23の大規模分類グループは配列の相同性による手法では識別できず、ウイルス界の「ダークマター」と呼ばれていました。
施教授は、「AIのアルゴリズムモデルは、人がこれまで見落としていた、あるいはまったく知らなかったウイルスを掘り起こすことができる。この能力は疾病の予防や抑制、新たな病原体の迅速な識別にとって極めて重要だ。特に感染症が爆発的に広まった発生した場合には、AIのスピードと精度が科学者が隠れた病原体をより迅速に特定することに役立つ」と説明しました。(提供/CRI)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
イエネコの高精度なゲノム解読と未解明の遺伝子群の発見
PR TIMES / 2024年11月22日 11時45分
-
Craif、技術顧問・共同創業者 安井隆雄の尿中エクソソームのマイクロRNA解析による早期肺がん・脳腫瘍の検知に関する研究成果が学術雑誌「Analytical Chemistry」に掲載
PR TIMES / 2024年11月19日 16時45分
-
神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の新規原因遺伝子を特定 ~世界初の症例を報告~
Digital PR Platform / 2024年11月12日 14時5分
-
神経-肝型ミトコンドリアDNA枯渇症の新規原因遺伝子を特定
PR TIMES / 2024年11月9日 13時40分
-
ネアンデルタール人「絶滅」の理由「2集団が互いに無視していた」...ゲノム解析から驚きの新説
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月4日 11時20分
ランキング
-
1米海軍哨戒機が台湾海峡飛行、中国軍は「大げさな宣伝」と反発
ロイター / 2024年11月26日 18時33分
-
2政府が政労使会議開催、石破首相「今年の勢いで大幅な賃上げを」
ロイター / 2024年11月26日 13時46分
-
3パキスタン、元首相釈放求めデモ激化=首都に軍配備、衝突で死者も
時事通信 / 2024年11月26日 20時41分
-
4【速報】韓国外務省が「日本が見せた態度」への遺憾を日本大使館に伝える 「佐渡島の金山」の追悼式に不参加
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 15時4分
-
5フィリピン正副大統領、対立激化が「殺し屋依頼」に発展 対米中外交に影響も
産経ニュース / 2024年11月26日 19時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください