北朝鮮で「韓国風表現」禁止の背景にあるもの―シンガポールメディア
Record China / 2024年10月15日 7時0分
13日、シンガポールメディア・聯合早報は、北朝鮮で「韓国風の常用表現」の取り締まりが強化される背景として、同国内で「韓流」コンテンツがひそかに浸透していることがあるとする記事を掲載した。写真は北朝鮮。
2024年10月13日、シンガポールメディア・聯合早報は、北朝鮮で「韓国風の常用表現」の取り締まりが強化される背景として、同国内で「韓流」コンテンツがひそかに浸透していることがあるとする記事を掲載した。
記事は、北朝鮮の国民が韓国の映画やテレビ作品に触れたり視聴したりする機会が増える中、同国政府が19年に外国の情報、特に韓流に対する統制を強化する一連の法律を相次いで制定し、韓国の映像作品を視聴したり広めたりした人を厳しく処罰するようになったと紹介。さらに23年には平壌文化言語保護法を制定して韓国の常用語彙(ごい)を使うことを厳しく禁止し、違反者には6年以上の強制労働による再教育、あるいは終身刑や死刑などが規定されていると伝えた。
その上で、若い脱北者に対して興味本位で「本当に韓国風の話し方をする若い北朝鮮人がいるのか」と質問したところ、この脱北者が「北朝鮮で最も『韓流』に触れているのは、関連コンテンツを取り締まっている保安部だ」と明かすとともに、あるエピソードを紹介したと伝えた。
エピソードによると、北朝鮮の女性が友人と自宅で韓国ドラマを見ていたところ、保安部の職員が突然家宅捜索にやって来てドラマを押収した。女性が「同志、勘弁してください。たまたま見ていただけなんです。もう二度としませんから」と懇願するも職員は冷たい目で見つめ、女性に名前を尋ねた。女性が緊張しながら自分の名前を答えると、職員は一瞬固まった上で「私の『ワイフ』と同じ名だ」と言い、そこから空気が一変した。女性が驚いて「今、『ワイフ』って言いましたか。あなたもひそかに韓流ドラマを見ているんですか」と質問すると、職員は表情を変え、口調も柔らかくなって「今日のところはこれで終わりにしよう。もう二度としないように。そして多言しないように」と言い残して帰っていったという。
記事はこのエピソードについて、国民の監視を担当する保安部までが影響を受けていると冗談交じりに言われるほど、「韓流」の魅力が北朝鮮社会の隅々にまで浸透していることを表すものだと評した。(編集・翻訳/川尻)
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