待ち時間めぐりトラブル、医師が女性患者を殴る？ 当局が状況を説明―中国

15日、楚天都市報は、江蘇省の病院で「医師が患者を殴った」とする動画がネット上で拡散する一方、当局が「医師は暴力を振るっていない」と説明したことを報じた。

2024年10月15日、中国メディアの楚天都市報は、江蘇省の病院で「医師が患者を殴った」とする動画がネット上で拡散する一方、当局が「医師は暴力を振るっていない」と説明したことを報じた。

記事によると、あるネットユーザーが14日に「江蘇省淮安市洪沢区人民病院で、医師が女性患者を殴った」とする動画を公開した。動画では女性患者と見られる人物が車椅子に乗せられる様子が映っており、同ユーザーは「医師と患者が口論になり、その後、医師が部屋から出てきて患者を殴った」と説明する一方、コメント欄には「患者が列に割り込もうとしたのを医師が止めたところ、患者が暴言を吐いた」という情報も書き込まれたという。

同区衛生健康委員会の関係者は15日午後、この件について「すでに両当事者や病院などへの調査、事実確認を行っており、現場の監視カメラの映像も調べた」とした上で、医師は患者に暴力を振るっておらず逆に医師が暴力を振るわれていたこと、ネット上で拡散した動画に映っていたのは、興奮を抑えるために車椅子に乗せられた患者であったこと、トラブルの原因はこの患者が長い待ち時間に不満を覚え医師と激しい口論を起こしたことであり、その後、診察室から出てきた医師を患者とその家族が取り押さえ、引っ張るなどしたことを説明した。

この関係者によると、医師と患者側の間ですでに和解が成立したという。

この件について、中国のネットユーザーは「今の世の中、医師をやるのはとても大変だなあ」「順番通りの診察を支持する。自分は高血圧で2カ月に1度病院に行く。規則通り番号を取って呼ばれるまで待つのだが、大概は『番号の取り方が分からない』などといって順番を無視し診察室に入っている高齢者に出くわす。医師も顔なじみで人がいいから断らない。まじめに番号を取ってばかを見るのはこっちだ」「今や医者も社会的弱者だ。暴言吐かれても耐え続けなければいけないのか？」といった感想を残している。（編集・翻訳/川尻）