中国の科学研究チーム、分離型海水直接電解水素製造の新手法を考案
Record China / 2024年10月20日 15時30分
中国の科学研究チームが分離型海水直接電解水素製造の新手法を考案しました。写真は深セン大学。
中国工程院院士(アカデミー会員)で深セン大学教授の謝和平氏が率いる研究チームは、海水中の塩化物イオンによる副反応や電極腐食に対応するため、新たな分離型の海水直接電気分解による水素製造手法を考案しました。これは、海水中に含まれる複雑な成分の影響を受けずに、海水電解による水素製造理論体系と技術的枠組みを一層充実させることに役立つものとみられています。関連研究成果はこのほど、学術誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』で公開されました。
海洋は地球上で水素が最も大量に眠る「鉱山」と言えます。海水電解による水素製造は未来のエネルギーシステムを構築するための重要な発展経路とされています。海水を淡水化してから水素を生成する伝統的な間接的水素製造技術は、複雑な海水淡水化プロセスと設備に依存していることから、専有面積が大きく、投資コストが増大し、施工も難しいといった難点を抱えています。
この研究は海水による水素製造において最も厄介な塩化物イオン干渉の難題に対応し、酸化還元メディエーターとなる分離型を導入し、熱力学と動力学の優位性を兼ね備えた陽極反応を利用し、従来の電解水による水素製造過程における酸素発生反応と塩化物イオン反応の競合を巧みに回避し、電気化学的腐食を大幅に低減したとのことです。
同時に、この研究は電解システムの陰極水素発生反応と陽極ヘキサシアノ鉄酸イオンの酸化反応の高効率性を解明し、分離システムにおける酸素の安定的発生の反応メカニズムを明らかにし、新しいシステムが実際の海水環境下で250時間にわたる長時間稼働を実現しました。これにより、謝院士チームは海水淡水化などの前処理プロセス無しに直接電気分解による水素製造の新しい技術体系をさらに広げ、海水直接電解による水素製造の産業化発展に理論的指導を提供できるものとみられています。(提供/CRI)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
酸化モリブデン/カーボン系触媒の常温・短時間合成技術を名工大が開発、水質浄化などでの活用に期待
マイナビニュース / 2024年10月17日 6時51分
-
深海熱水噴出孔が発電している可能性、理研などの構造解析にて判明
マイナビニュース / 2024年10月4日 20時36分
-
室温で実用化レベルの導電率を達成した全固体ナトリウム電池向け固体電解質、大阪公大が開発
マイナビニュース / 2024年10月3日 17時18分
-
産総研など、水素とCO2から水素キャリアのギ酸を直接合成する技術を開発
マイナビニュース / 2024年10月1日 6時51分
-
高圧水素源の「ギ酸」を二酸化炭素から再生
共同通信PRワイヤー / 2024年9月27日 14時0分
ランキング
-
1集英社、講談社、小学館など、マンガ出版社の多くが非上場なワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月20日 9時10分
-
2【シャトレーゼケーキ無断転売に続き…】京都人気観光地で外国資本による土地購入の過熱でトラブル増加、条例違反をしたまま放置されるケースも
NEWSポストセブン / 2024年10月20日 11時13分
-
3「なぜ兄だけに遺産?」親介護してきた"弟の絶望" 「お前に全て渡す」遺言ひっくり返った衝撃顛末
東洋経済オンライン / 2024年10月20日 10時30分
-
4携帯が毎月3GBまでのプランなので、いつも出先では「フリーWi-Fi」を使用していますが、友人から「リスク」があると聞きました。「パスワード」を入力するタイプなら問題ないですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月17日 3時50分
-
51万円あったら何に使うといい?企業のマーケティングに騙されないことが重要【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月20日 11時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください