中国高速鉄道、運用止まっていた駅が続々と再稼働―中国メディア
Record China / 2024年10月22日 6時0分
17日、九派新聞は、完成から10年以上放置されてきた複数の高速鉄道の駅舎が続々と営業を始めていることを報じた。写真は和楽駅。
2024年10月17日、九派新聞は、完成から10年以上放置されてきた複数の高速鉄道の駅舎が続々と営業を始めていることを報じた。
記事は、海南省万寧市で2010年に完成したものの14年間使用されずにいた和楽駅が今月15日に開業初日を迎えたと紹介。この1カ月だけでも同駅のように長期間使われずにいた高速鉄道駅が全国各地で少なくとも6駅開業したと伝え、「新たな転機が生じたことを意味する」現象だとした。
そして、この現象にはいくつかの特徴があると指摘。1つ目として駅周辺の交通需要の大幅な増加を挙げ、和楽駅の開業は地元の観光開発や大型プロジェクトの建設と並行して行われたと紹介した。2つ目は関係各方面の利益との兼ね合いとし、同駅の開業にあたり現地の市政府が総額2700万元(約5億5000万円)以上を投資したことを説明。遊休高速鉄道駅の「運命を変える」チャンスは、十分な乗客の流れがあるかどうか、そして地元が運営コストを負担できるかどうかにかかっていると論じた。
また、メディアの統計によると、全国で少なくとも26の高速鉄道駅が完成後に開業に至っておらず、立地条件が悪く、周辺施設が不十分で、乗客の往来が少ないことが原因で、開業しないことが「最善策」と考えられてきたという。時が経つにつれて周辺の開発や産業の発展により乗客の往来も増加し、開業の機運が高まったのだと説明した。
一方で、高速鉄道の駅建設と運営には、地方政府、鉄道会社、乗客の流れ、運営コストなどさまざまな利害が関わっているため、今回の「放置駅」の開業ラッシュがさらに大きな波になるかどうかは未知数だとも指摘。一部地域では開発計画の見直しや人口減により開業が難しい、あるいは開業の必要性が低下する状況も起きており、今後高速鉄道駅の閉鎖ラッシュが起きる可能性も否定はできないと伝えている。
記事はその上で、都市化プロセスや人口動態の変化に伴い、かつてのように「新興地域の開発促進を狙った高速鉄道駅建設熱」はすでに冷めているとし、長期間使われていなかった駅が数駅再開したとしても、無計画な開業ラッシュは起こらないだろうとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)
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