ファーウェイが手掛ける高級車ブランドが来春発売、価格は2000万円相当超―中国メディア
Record China / 2024年10月22日 8時0分
ファーウェイのスマートカー事業の責任者である余承東常務取締役は17日、江淮汽車と提携して開発してきた「尊界」ブランドの自動車を11月の広州モーターショーで公開し、2025年春に発売すると述べた。
華為技術(ファーウェイ)のスマートカー事業の責任者である余承東常務取締役は17日、2024コネクテッドカー大会で江淮汽車と提携して開発してきた「尊界」ブランドの自動車を11月の広州国際車展(広州モーターショー)で公開し、25年春に発売すると述べた。尊界シリーズは販売価格が100万元以上(約2100万円)の高級車ブランドという。中国メディアの上観などが伝えた。
江淮汽車の項興初董事長(会長)は7月12日、第14回中国自動車フォーラムで、「江淮汽車とファーウェイが提携した初の製品は高級電気自動車用のX6プラットフォームをベースに構築され、すでに完成車の検証段階に入った。年末にラインオフし、来年上半期に発売する計画だ」と説明していた。
余承東氏も同月15日の段階で、ファーウェイと江淮汽車が提携する「百万元クラス高級車ブランド」を「尊界」と命名したことを明らかにした。余氏は、「われわれの車は(メルセデス)マイバッハやロール・スロイス・ファントムというグレードをはるかに超え、それらよりも豪華で高級で、快適な自動車の位置づけだ。販売価格は1台100万元以上で、非常に高級な車だ」と説明した。
ファーウェイは自動車関連事業について早い時期から、完成車の製造販売は行わず、自動車メーカーに技術を提供する方式で提携すると説明してきた。ファーウェイの自動車関連技術の特徴としては、自社開発の鴻蒙OS(ハーモニーOS)をさらに自動車用に特化させてスマートカーの情報処理システムに利用し、さらに「鴻蒙智行(ハーモニー・インテリジェント・モビリティー・アライアンス、HIMA)」という企業グループを結成したことがある。HIMA絡みではすでに、賽力斯集団(セレス・グループ)が製造販売する「問界」、奇瑞汽車(チェリー・オートモービル)による「智界」、北京汽車による「享界」が登場しており、中国では「尊界」により「四界」がそろうことになるなどと言われている。
「四界」の中で販売台数が最も多いのが「問界」で、問界M9の平均価格は1台当たり50万元(約1100万円)程度だ。「尊界」が発売されれば、「四界」の中の「百万元クラス高級車」の空白が埋められることになる。
余氏は、「尊界はスーパーハイエンド、享界はハイエンドセダン、智界はミドルクラスとミドルハイエンドで幅広い人が購入できる自動車ブランド、問界は主にSUV分野に集中」と説明したことがある。
中国の証券会社である華シン証券(「シン」は「品」の「口」がすべて「金」)は研究リポートで、問界M9の成功は製品としての優秀さだけでなく、正確な価格設定にも密接な関係がある」と評した。問界M9の価格は45万元-55万元(約950万円-1200万円)で、この価格帯は問界M9が登場するまではBMW X4とアウディQ6しかなく、問界M9の参入が比較的容易だったからだ。
「四界」の2024年9月の販売台数は計3万9900台で、中国ブランドの自動車の平均実勢小売価格では5カ月連続で最も高額だった。中でも問界M9の納品代数は1万5500台で、中国における販売価格が50万元以上の高級車市場での販売台数が6カ月連続で第1位だった。問界M9は中国における高級自動車市場の競争構造を変えたとまで言われている。
平安証券はリポートで、中国の百万元クラスの高級車市場では、中国ブランドの電気自動車(EV)など新エネルギー車の市場進出が遅れている指摘した。外国車ブランドが市場の多くを占めており、しかも従来型のエンジン車が中心という。
しかし、HIMAには参加していないEV大手のBYDも23年秋には同社最高級ブランドの「仰望」を登場させるなどで、高級車市場に力を入れている。同ブランドでは現在のところ、販売価格が109万8000元(約2300万円)の仰望U8と、168万元(約350万円)の仰望U9の2車種が販売されている。
平安証券のリポートはさらに「現在のところ『仰望』を除き、中国系の自動車では江淮汽車とファーウェイが提携する『尊界』だけがこの市場に参入する」と説明。「百万元クラス高級車」については、市場規模は大きくない一方で参入障壁は高く、ブランドプレミアムは大きいと指摘し、逆に言えば参入に成功すればブランド価値の向上に貢献するとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人)
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