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中国の新エネ車市場はEVの頭打ち鮮明、レンジエクステンダーに脚光

Record China / 2024年10月22日 8時30分

純EVは69モデル、平均2万3000元(約46万円)、13.5%の値下げ。

純EVの競争は激しさを極め、値下げ率はダントツだ。PHVとレンジエクステンダーの値下げ幅は比較的小さい。その中でも今、レンジエクステンダーの存在に注目が集まっている。

レンジエクステンダーの開発が加速

レンジエクステンダーはPHEVに分類されるが、内燃エンジンを発電のみに使うタイプで、日本では日産のe-POWERシリーズがこれに当たる。

中国メディア「中国経営報」によると、現代自動車(ヒョンデ)、フォードなどの海外メーカーもレンジエクステンダーに乗り出した。国有大手の上海汽車も2025年第1四半期(1~3月)に傘下の智己汽車から初のレンジエクステンダーを発売する。智己汽車の幹部は「今後3~5年ないし5~8年、レンジエクステンダーには明確な市場機会が広がっている。特にMPVとSUVは有力だ」と述べた。民間大手の吉利汽車傘下の極氪汽車もレンジエクステンダー進出の可能性に言及した。さらに、長安汽車、ファーウェイ(華為技術)、寧徳時代新能源科技(CATL)が共同設立したアバター・テクノロジー(阿維塔科技)や、小鵬汽車も発売を計画しており、活況を呈してきた。

JPモルガンはPHEVとレンジエクステンダーが2030年に新エネルギー車市場の60%を占めると推定している。また、中国汽車協会によると、レンジエクステンダーの増加率は2021年が206%増、2022年が116%増、2023年が173%増で、市場シェアは2.9%へ上昇した。

フォルクスワーゲン中国の2020年当時のCEOは、「車1台の視点では、レンジエクステンダーには意味がある。しかし、国や世界レベルでは良い解決策ではない。化石燃料を燃やして発電する意味はまったくない」と述べていた。この見解について、業界内で「レンジエクステンダー技術は後進的か」という議論が続いた。しかし昨今、販売の増加とともに下火となった。

後進的技術が先進的技術より注目浴びる?

純EVの成長が鈍化し、乗用車市場は飽和しつつある。自動車メーカーは早急に新たな突破口を開く必要がある。レンジエクステンダーの開発はそのソリューションの一つだ。PHEVに比べて単純な構造で、製造コストは低く、自動車メーカーは採用しやすい。実際に国産ブランドのレンジエクステンダーは市場に受け入れられている。理想汽車、問界、零跑汽車などがこれに賭け、飛躍的な販売増を達成しつつある。

中国メディアは、最終的にレンジエクステンダーを強化するかどうかは市場の需要と自社の競争力によるとした。充電設備の充実した大都市や高速道路沿線では必要なさそうだが、北西部や南西部の山間地、ゴビ砂漠など、ドライブ好きの多い僻地では良い選択肢だ。

中国メディアは、ポイントは20万元(約400万円)以下で費用対効果の大きい内燃エンジン車の置き換えを加速できるかどうかだと分析している。新エネルギー車の増加を支えているのはPHEVとレンジエクステンダーで、純EVメーカーは大きなプレッシャーにさらされている。短期的には先進的なEV技術や自動運転技術より後進的なレンジエクステンダー技術がメーカーの命運を握っているようだ。純EVへの逆風は強まるばかりだ。今後の展開から目が離せない。

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