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40代中国人女性がスイスで安楽死を選択、「父親に看取らせる」で非難の声も―中国内外メディア

Record China / 2024年10月27日 20時0分

40代中国人女性がスイスで安楽死を選択、「父親に看取らせる」で非難の声も―中国内外メディア

中国および中国国外の華人の間では、上海出身で40代女性の沙白さんが、病気による苦痛から逃れるために安楽死を選択した動画を投稿したことが話題になった。

中国および中国国外の華人の間では、上海出身で40代女性の沙白さんが、病気による苦痛から逃れるために安楽死を選択した動画を投稿したことが話題になった。沙白さんはスイスに渡り、父親と共に映った動画を23日に投稿して、安楽死を選ぶに至った経緯などを説明した。この件については中国大陸部のメディア以外に東南アジアの華字メディアも伝えた。

沙白さんによると、20歳の時に自己免疫疾患であるエリテマトーデスという病気を発症した。それ以来、現在までの20年間余りで7回の発作を起こした。発作の際には皮膚の発疹や関節炎のために耐えがたい痛みに襲われた。さらに心膜炎や痙攣(けいれん)にも見舞われ、最終的に腎不全に陥って、1週間に3回の透析を受けないと命を維持できなくなった。

沙白さんの周囲の人は彼女の闘病を応援したが、沙白さん本人は「生きているよりも死んだほうが良い」と考えるようになり、人生の最後の道のりにどのように向き合うかを決めた。沙白さんは数週間前の動画投稿で、「私は自分がまだ美しいうちにスイスに行って世界に別れを告げることを決めた」と表明した。


終焉の地をスイスに定めたのは、同国で活動する「ディグニタス」という安楽死支援組織を利用するためだ。ちなみに、ディグニタス(dignitas)とはラテン語で「尊厳」を表す言葉だ。

ディグニタスは安楽死を支援するに当たっての、厳格な規則を設けている。まず、本人が衝動的に自殺を望んでいるのではなく、第三者の影響を受けていないことを確認する。基準を満たしていない場合には、ディグニタスは自殺のための薬物を渡すことなどをしない。

ディグニタスの最低年会費は80スイスフラン(約1万4000円)で、それ以外にも自殺実行に関連する各種費用が必要だ。2018年6月には台湾の著名なスポーツキャスターだった傅達仁さんがディグニタスの支援を受けて自殺したが、傅さんは自殺に至る全過程を公開し、費用は計300万台湾ドル(約1400万円)と説明した。なお、沙白さんは中国大陸部人として初めて、ディグニタスの支援を受けての自殺を決めた人とされる。費用については明らかでない。

沙白さんの安楽死については、ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。「こんなに若い人がこんなに楽しそうに死に向かって駆け抜けてていくのは見たことがない。あまりにも理性的で強すぎる。沙白さん、安らかに旅立ってください。天国には病気はありません。あるのはお花だけです」といった投稿も寄せられた。なお、安楽死した傅達仁さんは死亡時に85歳だった。


「動画を見てとても悲しくなった。こんなに率直な一人の女性が。ああ……神は不公平だ」など、多くの人は沙白さんの選択に悲しみを表明した。しかし一部では、沙白さんを強く非難する投稿も寄せられた、「78歳の父親を捨てて、自分の最期を看取らせることができるのは、極度にナルシストで残忍な人物だけだ。このような残忍な人物が自分を終わらせるのは、よいことだ」といったコメントもある。また、動画に映った沙白さんの顔色はとてもよいとして、投稿の真実性を疑う投稿もあった。

沙白さんを非難する投稿に対しては、沙白さんを生命の最後の一瞬まで攻撃するものとして、「このような言動は本当に恥ずべきものだ」とコメントした人もいる。沙白さんの23日の動画投稿以降の様子は不確かだが、25日に死去したとの報道もある。(翻訳・編集/如月隼人)

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