中国から提供されたトキの子、日本が間もなく半数を中国に返還―中国メディア
Record China / 2024年10月29日 6時30分
新潟県の当時の平山征夫知事は、佐渡保護センターを訪れた際に、「キン」が自分に向かって歩いて来る姿を見て、「何としても佐渡でトキを繁殖させて、トキに佐渡の空を飛び回らせたい」と、心の中で誓ったという。
平山知事は88年に中国の指導者が日本を訪問した際に、中国側訪問団に健康なトキを渇望する考えを誠意をもって伝えた。こうして「ヨウヨウ(友友)」と「ヤンヤン(洋洋)」が日本にやって来ることになった。そして、人工繁殖などの専門家である席咏梅さんもやってきた。席さんは幼い息子を育てる母だったが、佐渡トキ保護センターで2年間に渡り勤務した。
日本生まれの最後のトキだった「キン」は2003年10月10日に死んだ。しかしその時点で、佐渡トキ保護センターで飼育されるトキは40羽にまで増えていた。
中国からは日本のトキの遺伝の多様性を確保するために、07年と18年に、トキのオスメスのつがい1組ずつが提供された。日本ではまた、トキを野生に戻す試みも実施された。最初の放鳥は08年9月25日だった。オス5羽、メス5羽で、日本の空をトキが飛ぶのは27年ぶりだった。その後の調べによると、自然に放たれたトキが5年後も生きている確率は平均で40.1%に達した。また、最初の放鳥から14年間で、トキ29羽が本土に渡ったことが確認された。最も遠くまで移動した1羽は仙台に至った。また17羽は再び佐渡に戻った。佐渡に戻ったのはすべてオスだった。
21年末時点で、日本で生きているトキは約650羽で、うち野生で生まれた個体は325羽、放鳥された個体は153羽、飼育中の個体は182羽に達した。野生状態で暮らすトキは480羽程度だが、専門によると佐渡島だけでも700羽から1000羽になって初めて、トキが安定して生存できると一安心できるという。
中国では、当初は7羽しか確認されなかったトキの保護で大きな成果を得ることができた。トキの個体数は1万羽以上に達し、生息地は当初の5平方キロから1万6000平方キロにまで拡大した。
中国に10月31日に返還される16羽は、07年に中国から提供されたオスの「ホワヤン(華陽)」とメスの「溢水(イーシュイ)」と、18年に提供されたオスの「ロウロウ(楼楼)」とメスの「関関(グワングワン)」の子で、生まれた時期は16年から22年にかけてだ。(翻訳・編集/如月隼人)
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