戦々恐々のウクライナ、「トランプ政権発足で切り捨てられるのでは?」―仏メディア
Record China / 2024年11月5日 5時0分
ウクライナ政府内部ではロシアとの戦争について、米国でトランプ政権が成立したら「切り捨て」られるのではとの深刻な懸念が発生している。
11月5日に投開票される米国の大統領選は、直前になってもドナルド・トランプ候補とカマラ・ハリス候補のどちらが勝利するかの見通しがほとんど立たない状態が続いている。大統領選に関連する主張でとりわけ注目されたものの一つに、長期化したロシア・ウクライナ戦争について「私だったら24時間以内に終わらせる」としたトランプ氏による2023年5月の発言だ。そのためウクライナ政府では、トランプ政権が誕生したら「切り捨てられるのでは」という深刻な懸念が発生しているという。フランスメディアのRFIが伝えた。
ウクライナの元駐米大使であるオレフ・シャムシュル氏は、「トランプ氏が勝利すれば深刻なリスクをもたらす」と述べた。シャムシュル氏はさらに、トランプ氏と彼のチームは「ウクライナが勝つとは考えていない」「中国との対決に集中するために、あらゆる代償を惜しまずに(ロシアとウクライナの)衝突を終わらせたいと考えている」と述べた。
西側メディアの報道によると、トランプ氏の計画はロシアにとって極めて有利だ。まずウクライナには、現状でロシア軍に占領されている地域、すなわち領土の20%の支配を断念させて非軍事化する。ウクライナにはさらに、念願だったNATO加盟も断念させる。
シャムシュル氏は同計画について「(ウクライナにとって)潰滅的だ」と表現し、「ロシアは軍隊を再建し、後日再び攻撃してウクライナを完全に抹殺することができる」と指摘した。
ただし、ウクライナ大統領府のある高官は匿名を条件に、9月にウクライナのゼレンスキー大統領が訪米してトランプ氏と会談した時の状況は「非常に良好だった」と説明し、トランプ氏の心情について「米国がプーチンに敗北する原因になった人物にはなりたくないだろう」と分析した。同高官によると、ウクライナは米大統領選のハリス氏とトランプ氏の両候補と良好な関係を保つよう「努力している」という。(翻訳・編集/如月隼人)
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