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中国で商標事前パクリ、今度は化粧筆の白鳳堂がやられる―中国メディア

Record China / 2024年11月11日 6時0分

中国で商標事前パクリ、今度は化粧筆の白鳳堂がやられる―中国メディア

熊野筆を製造販売する白鳳堂はこのほど、中国のECプラットフォームの天猫に、同社とは関係ない「白鳳堂」と称する商品があるとして、消費者に注意を呼び掛けた。写真は天猫で販売されている「白鳳堂」商品。

熊野筆を製造販売する白鳳堂(本社・広島県安芸郡熊野町)はこのほど、中国のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」で、同社と関係がない「白鳳堂」の名称を使った商品が販売されているとして、消費者に注意を呼び掛けた。中国メディアの界面新聞は9日付で関連情報を紹介し、中国の現行法では日本の白鳳堂が、自社と同じブランドを使った別企業による商品を差し止めることは困難と紹介。その上で、中国側のこのような行為は、国外の有名ブランドの中国市場参入を妨害する可能性があるだけでなく、中国側の業界の健全な発展やブランド構築に不利と批判した。

白鳳堂は1974年設立の熊野筆製造会社で、特に化粧筆の製造大手だ。化粧筆の約90%は日本内外の化粧品メーカー向けOEMで、残りを自社ブランドで販売している。

白鳳堂は消費者向け注意喚起で、天猫での取り引きおよび販売は行っていないと説明した。界面新聞によると、天猫に白鳳堂名義の公式旗艦店を出しているのは広州白鳳堂品牌管理(以下、広州白鳳堂品)で、同社設立は2024年2月28日だ。登録資本金は50万元(約1000万円)で、経営範囲は化粧品の卸販売と小売販売だが、製造はしていない。


天猫で販売されている広州白鳳堂品の化粧筆は日本の「本物の白鳳堂」の製品とかなり似ている。価格は大きく異なり、例えば日本の白鳳堂の化粧筆は1本が人民元1000元(約2万1000円)相当だが、広州白鳳堂品の製品は200元(約4300円)以下だ。中国のSNSおよびECプラットフォームである小紅書では、白鳳堂の名を冠した商品の「真贋」を鑑定する投稿もあるという。

界面新聞は、「本来の日本の白鳳堂が中国市場に参入しようとすると、商標を奪われてしまったことで、障害に直面することになる」と紹介し、無印良品のケースに似ていると指摘した。

日本の白鳳堂

無印良品やMUJIを展開する良品計画(本社・東京都文京区)は中国で無印良品の商標権を持つ北京棉田紡績品により「無印良品の商標を無断で使用した」として訴訟を起こされ、北京市高級人民法院(高裁)は19年に、良品計画とその中国子会社に、無印良品の商標を使う権利侵害行為をただちに停止し、北京棉田紡績品に損害賠償などで約62万6000元(約1300万円)を支払うよう命じた。中国の裁判は基本的に二審制なので、判決は確定したことになる。

界面新聞の調べによると、広東省で活動をしている張銀玉弁護士は、日本の白鳳堂は10年8月30日に国家知的財産局に化粧筆についての「白鳳堂」の商標登録を申請したが、広東省汕頭市内の企業がすでに09年に同じカテゴリーで「白鳳堂」の商標を申請していたため、白鳳堂の申請は却下されたと思われるという。張弁護士は、「他国で登録された商標であっても、中国で登録されていない限りは中国での商標保護は受けられない」と説明。このため、日本の白鳳堂ができるのは、公式声明で天猫で販売されている商品と自社の関係を否定することに留まるという。

日本の白鳳堂

日本の白鳳堂が化粧筆についての「白鳳堂」の商標権を得るには、「白鳳堂」が中国で多くの人に認知される著名商標であることを証明し、他者による商標登録の無効を商標審査委員会に申請するしかないという。

界面新聞は同件について一部中国企業が「近道を通ろう」と考え、外国の有名ブランドの商標を先行して登録する現象と指摘。その上で、この手法は国外の有名ブランドの中国市場参入を妨害する可能性があるだけでなく、中国側の業界の健全な発展やブランド構築に不利と批判した。(翻訳・編集/如月隼人)

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