中国でグッズブームの低年齢化、子どもが詐欺被害に―中国メディア
Record China / 2024年11月16日 20時0分
14日、中国メディアの楊子晩報は、中国でアニメやゲームグッズの購入ブームが低年齢化し、子どもが詐欺被害に遭っていると報じた。
2024年11月14日、中国メディアの楊子晩報は、中国でアニメやゲームグッズの購入ブームが低年齢化し、子どもが詐欺被害に遭っていると報じた。
記事はまず、「小中学生の間でグッズ(中国語で「谷子」)ブームが巻き起こっている。グッズとは、アニメやゲームなどの著作権作品から派生したバッジ、アクリル製品、カード、フィギュア、縫いぐるみなどの関連商品を指す」とし、「記者が複数のグッズショップを訪れたところ、平日にもかかわらず客足は絶えなかった。あるグッズショップの責任者はグッズの人気が非常に高く、混雑時には購入制限を設けるほどだと述べ、『人の出入りが多く、来店時間も集中するため、欲しい商品を早く買いたい客のために予約制を導入した』と説明。週末には整理券が3000枚以上配られ、1人当たりの購入額は200元(約4000円)前後になる」と紹介した。
続けて、「あるグッズショップの店長によると、グッズを購入することは若者の間で一種の流行となっている。特にバッジが人気で、店長は『ほとんどの人がバッジ(通常はブリキ製)を多く買っていく。乙女ゲーム(主に少女向けの恋愛シミュレーションゲーム)関連や日本のアニメの関連グッズもよく売れている』と話した」とした。
また、「グッズを購入する人々は『谷圏』と呼ばれる独自のコミュニティーを形成しており、主要な構成メンバーは未成年の若者だ。グッズは価格に応じて『普谷』『湖景谷』『海景谷』の3種類に分かれており、『普谷』は比較的手に入りやすく価格も15~30元(約300~600円)程度と手頃だが、『湖景谷』と『海景谷』は稀少性から価格が高く、転売価格は数千元(数万円)から多いと1万元(約20万円)を超えることもある」とし、「オンラインの取引プラットフォームで確認すると、あるバッジは世界で数十セットしかなく、転売価格がかなり高額になっている。業界関係者の李さんは『人気のある作品と限定された販売数が組み合わさり、『谷圏』では希少価値が高まっている』と述べた」とした。
さらに、「通常、一つのグッズがそこまで高額になることはない。例えば、バッジは単なる金属片やアクリル製品、あるいはレーザー加工の紙製品にすぎない。公式の販売価格は20元(約400円)程度だが、転売価格は50~60元(約1000~1200円)にまで上がることもある。あるアニメの関連グッズが世界で数十個の限定販売だとすると、価格は必然的に高騰する」と言及した。
その上で、「このように子どもたちがグッズに夢中になると、これに乗じて低価格販売を餌に未成年をターゲットにした詐欺師が出現し、グッズの代行購入詐欺も頻発している」とし、「高校生の郭静(グオ・ジン)さんは普段からアニメキャラクターのグッズを集めるのが好きで、さまざまな購入ルートをチェックしていたが、ある時詐欺に遭ってしまったと紹介。郭さんは「ある日、SNSでグッズの共同購入(複数顧客による同じ商品の購入で値引きする販売方法)ができるという投稿を見かけた。通常より安く、普段手に入りにくい『海景谷』だったので、つい心を動かされてしまった」と語り、共同購入に参加している人数が多く、売り手からの取引成立を示す写真も本物のように見えたため疑念を持たなかったが、送金後に売り手にブロックされ、詐欺に気づいたと伝えた。
また、「つい最近も、中学生の李由(リー・ヨウ)さんがグッズの低価格転売詐欺に遭った。李さんはあるゲームキャラクターが好きで、公式のアクリルスタンドを購入しようとしたが、一つ40~50元(約800~1000円)で、複数買うと100元(約2000円)を超えて、予算オーバーになってしまった」と述べ、李さんは「SNSで売り手が正規グッズを転売しており、市場価格よりもはるかに安かったので、その人と直接やりとりし、中国のチャットアプリ・微信(WeChat)で友達追加をした。取引プラットフォームで購入したかったが、売り手は『中国のスマホ決済サービス・支付宝の制限がある』と言い張り、微信での送金を求めてきた。結局、送金後に発注状況を確認しようとしたら、売り手にブロックされてしまった」と話したとした。
記事は、「浙江省湖州市安吉県公安局は今年、グッズに関連する未成年者の詐欺被害事件を解決した。当局の刑事捜査隊の警察官の梅青青(メイ・チンチン)氏によると、迅速な警告により被害者の損失8000元(約16万円)余りが無事に取り戻されたという。また梅氏は、小中学生が本当にグッズを好むなら、必ず正規の取引プラットフォームで購入するようにと注意を促した」と紹介した。
加えて、「この種の詐欺の典型的な手口は、SNSで人気アニメグッズの低価格販売を投稿し、 未成年が購入したためにアカウントが異常をきたした、個人の評判に影響が出るなどと脅した後、保護者のスマホから指定のアカウントに送金させるよう誘導するというもの。日常生活でも、未成年者は不明なウェブサイトやプラットフォームで安易に個人情報を登録しないように注意する必要がある。また、保護者も子どものネット利用をしっかりと見守り、ネット詐欺の手口を見分けるよう教育することが重要だ」と強調した。
さらに、「同済大学教育評価研究センターの樊秀娣(ファン・シウディー)主任によると、未成年がグッズを好む背景には、満足感や共感を得たいという心理、一定の社交的な欲求がある」とし、「この年齢の生徒は個性を強く表現したがり、自己意識が非常に強く、自立心や大人らしさを示したいと思っているが、まだ認知が十分に成熟していないため、さまざまな物を買って部屋を飾ることで個性を表現する傾向がある。こうした行動が見られた場合、適切な指導が必要だ」と指摘したことを伝えた。(翻訳・編集/岩田)
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