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共産党元高級幹部の薄熙来氏息子が台湾人女性と結婚へ、中国では情報封鎖―台湾メディア

Record China / 2024年11月17日 20時0分

共産党元高級幹部の薄熙来氏息子が台湾人女性と結婚へ、中国では情報封鎖―台湾メディア

中国共産党の元高級幹部で、現在は刑務所で服役中の薄熙来受刑囚の息子の薄瓜瓜さんが台湾人女性と結婚することが、台湾で注目されている。中国大陸側ではこの話題が「封鎖状態」という。写真は薄熙来受刑囚の家族。

台湾では、中国共産党の元高級幹部で、現在は汚職などの罪で北京市内の刑務所で服役中の薄熙来受刑囚の息子の薄瓜瓜さんが、台湾に来て台湾人女性と結婚することが、強く注目されている。一方で中国大陸側ではこの話題が「封鎖状態」という。米国当局系メディアのラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

薄瓜瓜さんの祖父の薄一波氏は中国共産党の元老だった。父の薄熙来受刑囚は中国共産党の中央政治局委員や重慶市委員会書記を務め、重慶時代には「紅を歌って黒を打つ(皆で革命家を歌って、社会の悪を打倒する)」を推進した。しかし2013年には収賄罪、汚職罪、職権乱用罪で起訴され、無期懲役を言い渡されて、現在は北京市内の秦城刑務所で服役している。

薄瓜瓜さんは現在37歳で、1998年から英国のオックスフォード大学で学び、その後は米国に渡ってハーバード大学、コロンビア大学で学んだ。2016年に法学博士号を取得し、米国の弁護士資格試験に合格した。その後はニューヨークの法律事務所でインターンをし、カナダでアナリストを務めたこともある。

台湾紙の聯合報は15日付で、薄瓜瓜さんが13日にカナダから台湾に到着したと報じた。台湾宜蘭県にある羅東博愛病院の設立者である許文政氏の孫娘と結婚披露宴を開くことになるとした。記事によると、薄瓜瓜さんは15日に宜蘭県内で婚約者の両親に会い、羅東博愛病院で健康診断を受けたが、病院の外には一時、警察関係者が詰めていたという。聯合報はまた、披露宴の場所は新竹県新埔鎮にあるThe One南園人文旅館と報じた。

RFAによると、羅東博愛病院とThe One南園人文旅館に電話取材をしたが、いずれも「不明です」「情報を受けていない」などの回答だった

台湾紙の自由時報によると、許文政氏は2019年に死去したが、生前の政治経歴は国民党と密接で、宜蘭県議会議長、監察委員、総統府国策顧問を歴任し、馬英九総統時代には総統の顧問役である総統府資政も務めた。許家は今のところ、許文政氏の孫娘と薄瓜瓜さんの結婚について何も話していない。宜蘭県の地元関係者によると、2人はいずれも英国に留学していたので知り合ったという。

台湾の国家安全局は、同局の職務は法に基づき国家安全機関を統合し、海外から台湾に来た人物の異常な動態を把握してただちに執行権限を持つ機関に情報を提供することであり、個別の事案についてはコメントしないと回答した。

台湾で中国大陸側と関連する業務を主管する大陸委員会はRFAに対して、「この案件は中国大陸側の人々が台湾側の規則に基づいて台湾人との再会を申請したものだが、申請者の身分が特殊なため、政府は全体的な状況を把握している」「大陸部の人々が合法的に台湾への渡航を申請した件の詳細について外部の人に説明することは、当事者のプライバシー尊重の観点から妥当ではなく、当事者及び家族の控えめな意思を尊重するよう各界に呼びかけている」と説明した。

台湾の出入国を主管する移民署の関連法規によれば、台湾と中国大陸の戸籍を同時に保有することは認められない。大陸側も二重国籍を認めていない。薄瓜瓜さんが今も中華人民共和国国籍であり、台湾側が外国人ではなく大陸人であると認定した場合には、2人はまず中国大陸で結婚せねばならず、台湾政府の対大陸窓口部門である海峡交流基金会(海基会)の審査を経た上で、台湾人の家族として台湾に滞在するための赴台団聚証を申請せねばならない。

海基会の羅文嘉秘書長は15日の定例記者会見で、「まだ何の申請も受け取っていない。もし本当にこのこと(申請)があるのなら、彼はどのような身分なのか。第三国国籍の身分なのか、中華人民共和国国籍の身分なのか。法律に基づいて処理する。特別待遇はせず、公平に扱う」と説明した。

中国メディアやSNSで「薄瓜瓜」の3文字を検索して、台湾に赴いて台湾人女性と結婚するという情報はまったく見られなかった。すなわち関連情報は「封鎖」状態だ。これについて台湾師範大学政治学部の範世平教授は「薄熙来と(薄瓜瓜の母親の)谷開来は刑務所に収容されており、薄瓜瓜さんが中国に帰る可能性はない。中国側から何か反応がある可能性は低い」と述べた。

薄熙来氏

範教授はさらに「中国側の立場は非常に微妙だ。『(台湾海峡)両岸は一つの家族』と言って、結婚を祝福するわけにもいかない。薄熙来の息子でないならば、この結婚を利用して両岸の関係をさらに親密にする方向で操作することも可能だったろう。しかし、これは非常に敏感な問題だ」と論評した。(翻訳・編集/如月隼人)

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