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もう何をしても救えない? 中国で無差別殺人事件頻発の背景―独メディア

Record China / 2024年11月20日 6時0分

もう何をしても救えない? 中国で無差別殺人事件頻発の背景―独メディア

独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は18日、「1週間に2件の無差別殺人事件、中国はどうしたのか?」と題する記事を掲載した。写真は四川省のテロ対策訓練。

独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は18日、「1週間に2件の無差別殺人事件、中国はどうしたのか?」と題する記事を掲載した。

記事は、今月16日に江蘇省無錫市の県級市、宜興市の専門(職業)学校で刃物による無差別切りつけ事件が発生し、8人が死亡し17人が負傷したと説明。拘束された男がSNS上で「学校が悪意を持って卒業証書を授与しなかった」「実習を行った工場が賃金を支払わず、搾取されている」などと不満をつづっていたことを伝えた。

そして、男の投稿はその後しばらくして閲覧できなくなったものの、多くのネットユーザーがこの件について議論していると指摘。SNS上には「真実が隠されている。正直者がいじめられる」とのコメントのほか、中には、専門学校の学生が実習期間中にタダ働きを強いられるのが暗黙のルールになっていることに疑問を投げ掛け、事件をきっかけに行動を起こすよう呼び掛ける投稿もあったとした。

また、今月11日に広東省珠海市のスポーツセンターで発生した自動車暴走事件では35人が死亡、43人が負傷したこと、9月には上海市のスーパーで刃物による無差別襲撃事件が起き、3人が死亡、15人が負傷したこと、10月には北京市の小学校近くで刃物による襲撃事件が起き、未成年者3人を含む5人が負傷したことを列記した。

記事は一連の事件について、中国のネット世論ではメンタルヘルスの問題、特に経済の減速による社会的ストレス、格差などが背景にあるとの声が出ていると説明。また、復旦大学の曲衛国(チュー・ウェイグオ)教授が「最近の社会報復事件には共通点があり、犯人は自分が不公平な扱いを受ける社会的弱者であると考えており、他にどうすることもできないと感じている」とした上で、「社会のセーフティーネットとメンタルケアのメカニズムを構築することは重要だが、最も効果的なのは権力の使用を監督・暴露すること」とSNSに投稿したものの、その後、この投稿が削除されたことを伝えた。

また、「近年、中国の大学を卒業した若者の失業率は高止まりしている。専門学校の本来の目的は、より多くの若者が特定の仕事に就けるよう研修を行うことにある。しかし、過去1年間、中国のネット世論では依然として若者の就業や収入への不安が多数議論されている」と指摘。今年7月には「歴史のごみ時間」という流行語が登場したとし、この言葉は「中国の社会発展がすでに不可逆的に悪化し、執政者が何をしても救うことができないことを示唆している」と解説した。

記事は一方で、中国政府が凶悪事件の対策として、「リスクがある人物を識別し、コントロールを強化する」との強硬的な姿勢を示していることを併せて伝えた。(翻訳・編集/北田)

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