アップルが初めて中国のアプリ開発者の収入を公開―中国メディア
Record China / 2024年11月22日 8時0分
20日、観察者網は、米アップルが初めて中国のアプリ開発者の収入状況について発表したと報じた。
2024年11月20日、中国メディアの観察者網は、米アップルが初めて中国のアプリ開発者の収入状況について発表したと報じた。
記事は、アップルの中国公式サイトが19日、中国の開発者やApp Storeのエコシステムに関する収益状況を発表し、近ごろ注目されている「アップル税」問題への回答という側面も持つ内容だと伝えた。そして、報告ではApp Storeのエコシステム規模が中国で拡大しており、エコシステムによって中国の開発者にもたらされた売上高は2019年の1兆6500億元(約35兆円)から23年には3兆7600億元(約80兆円)にまで増加したことが明らかになったと紹介した。
一方で、中国は世界的にもApp Storeの手数料が高い国の一つであり、中国の標準規模の企業に対して30%、中小の開発者に対して15%の手数料を徴収していることからここ数年は「アップル税」という言葉まで生まれて注目を集めてきたと指摘。その上で、この問題について報告が「大多数の開発者はアップルに手数料を支払う必要がない。また、昨年手数料を支払った中国の開発者の56%が手数料率の優遇を受けている。アップルは開発者によるアプリ内の広告収入から手数料を徴収していないし、開発者に対しユーザーやアプリデータを獲得するアップルツールのインテグレーションを要求していない」と説明したことを伝えた。
また、報告が米国や韓国、EUの費用回収代行機構について触れ「費用回収代行機構は統一性を保っており、これらの地域における全ての開発者に対し同じ基準が等しく適用されている」と説明したことを紹介する一方で、「中国市場と欧米市場で異なる手数料率を採用していること、および第三者決済に関して異なる扱いをしていることなどの問題については言及していない」と指摘している。
記事は、昨年アップルが「アップル税」により得た収入が1608億元に上り、このうち中国市場が482億元だったと紹介。米国市場の50%である一方、EU市場の2倍だったと指摘したほか「中国はアップルにとって世界で2番目に大きい市場であるにもかかわらず、開発者に対して世界で最も厳しい制約条項と、最も高い『アップル税率』を設定しているのだ」とした。また、今年8月にはアップルが騰訊(テンセント)とバイトダンスに対し、微信(WeChat)とTikTokでApp Store手数料を回避する抜け道をふさぐよう要求し、応じなければアプリをApp Storeから削除すると通告したとの情報が流れたとも紹介した。
その上で「今回アップルが公式に発表した報告からは、中国市場で徴収している『アップル税』が決して高額ではないことを証明したい意図がみえるが、実際の状況についてはさらに多くの実例や市場の動向を踏まえて検証する必要がある」との見方を示した。(編集・翻訳/川尻)
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