日本で34万人の小中学生が不登校、背景は―華字メディア
Record China / 2024年11月24日 15時0分
19日、日本華僑報網は、日本で社会問題となっている小中学生の不登校について紹介し、その原因について考察する文章を掲載した。
2024年11月19日、華字メディアの日本華僑報網は、日本で社会問題となっている小中学生の不登校について紹介し、その原因について考察する文章を掲載した。
文章は、文部科学省によると昨年度全国で1カ月以上学校に通っていない不登校の小中学生が34万6482人で前年度より4万7000人余り増えて11年連続の増加になったと紹介。このうち小学生が13万370人で10年前の5倍、中学生が21万6112人で同2.2倍になったとし、不登校の理由では「学校生活に対してやる気が出ない」が32.2%、「不安・抑うつ」が23.1%、「生活リズムの不調」が23%と多かったと伝えた。
また、今年度認定された校内いじめの件数が小学校は58万8930件、中学校が12万2703件、高校が1万7611件、特別支援学校が3324件で合計73万2568件と前年度より5万件余り多く、やはり過去最高になったほか、児童・生徒の自殺者も397人と過去3番目に高い数字となったことを紹介している。
その上で、不登校が増えている主な要因として、家庭の原因、学校の原因、精神・身体上の原因の3点を挙げた。家庭の原因については、両親の不和や兄弟同士のいざこざ、親が仕事で忙しく子どもの面倒をみる余裕がないといった問題で子どもが学校に行けなくなるケースが多く、子どもの学習や生活にとって家庭環境はとても大事だと指摘した。
次に学校の原因については学校の勉強についていけない、試験の成績が悪いといったことで子どもの登校意欲が損なわれる可能性があると指摘。これは1970年代に始まった「偏差値教育」の弊害でもあり、学校や教師は偏差値の低い子どもの成績や自己肯定感を向上させる取り組みを行う必要があるとした。
そして、精神や身体上の原因は学校のいじめに直結する問題だとの認識を示し、日本のいじめが組織的で長期化すること、軽度で陰湿であること、いじめ行為に対して他のクラスメートが「飛び火」を恐れて黙認する傾向にあること、教員すら見てみぬふりをするケースさえあることを紹介。日本の伝統的な「我慢」の文化もいじめを助長する要因になっており、教師や親に言えず一人で抱え込み、不登校になったり、自殺という選択をしてしまう子どもが後を絶たないことを伝えた。
文章は、不登校の理由を問いただしたり、無理に登校させようとしたりすることは逆効果になりやすく、共感をベースに不登校の子どもとじっくり向き合い、関係者と協力しながら理解を深めることが重要であると指摘。不登校の問題は簡単に解決できるものではなく、日本社会がこの問題を解決するにはまだまだ遠い道のりが必要だと結んでいる。(編集・翻訳/川尻)
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