【観察眼】150000000000件!偉業達成の中国宅配業 さらなる可能性
Record China / 2024年11月22日 11時50分
中国の宅配便の年間業務量は初めて1500億件の大台を突破した。
11月17日、中国国家郵政局のスクリーンに映し出される長い数字。スクロールを続けるこの数字は、午後4時29分に点滅し、「150000000000」で固定された。
1500億!これは、中国で今年取り扱われた宅配便の件数だ。中国の宅配便の年間業務量は初めて1500億件の大台を突破した。
この「1500億件」実現の背景には何があるのだろうか。
一つ目の要素は、「市場の発展と繁栄」である。1500億件の宅配便と聞いてもピンとこないかもしれない。これは、中国の1人当たりの年間宅配便受取件数が100件を超え、1秒間に平均5400件以上の宅配便が届いているということになる。この背景には、中国経済の持続的な成長、巨大な市場、電子商取引などの新型消費モデルの発展といった要素がある。今年に入ってから、中国の宅配業界の発展の質と効率は絶えず向上し、1日の最高取扱量は7億2900万件を超え、月平均業務量は130億件を超え、月平均業務収入は1000億元(約2兆1400億円)を超えた。世界経済が多くの不確実性と試練に直面する中で、中国経済の安定した発展と内需の拡大により、中国の宅配業は依然として力強い成長の勢いを維持しているのだ。
二つ目の要素は、「よりバランスのとれた地域の発展構造」である。今年に入ってから、中国中部と西部の宅配便取扱量の割合は上昇を続け、伸び率は全国の平均水準を上回った。チベット・ニンティ市のヤク肉、新疆・コルラ市の梨、寧夏・賀蘭山のワイン、青海・ゴルムド市の玉器など、中西部の特産品が、宅配便の効率化によって全国に届くようになった。
消費市場の熱は、農村の宅配業からも感じ取れる。中国は2024年10月までに累計33万7800カ所の村の郵送物流総合サービスステーションを建設した。「すべての県にディストリビューションセンターがあり、すべての町に配達ステーションがある状態」という目標が基本的に実現した。中国国家統計局が発表したデータによると、今年の第1~3四半期、農村部の消費財小売額は前年同期比4.4%増の4万7695億元(約102兆800億円)となった。農村住民の1人当たりの消費支出は前年同期比6.5%増加し、成長率は都市部を1.5ポイント上回った。農村宅配業の迅速な発展による恩恵だ。
「1500億件」実現の背景にある三つ目の要素は、「ハイテクによる後押し」だ。
中国トップのフードデリバリーサービス企業「美団」は今年8月、八達嶺長城でドローン配達サービスを展開した。観光客が二次元コードをスキャンして注文すると、最速で5分以内に商品を受け取ることができる。配送料はわずか4元(約85円)。アリババの物流関連企業「菜鳥網絡」が運営する無人配送車は、全国20余りの省の大学の道路で500万キロ以上の走行距離を達成したほか、今年の大型セールイベント「ダブルイレブン」期間中に、浙江省余杭市の宅配拠点からの1台当たり1日平均約2000件の小包の配送を支援した。また、EC大手「京東(JD.com)」が運営する物流会社「京東物流」のスマート倉庫センターは、5G技術を搭載したスマートピッキング・運搬ロボットを使用することで、ピッキング効率を大幅に向上させた。
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