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中国で賃金未払いなど原因の労働者による集団抗議が多発―台湾メディア

Record China / 2024年11月25日 8時0分

中国で賃金未払いなど原因の労働者による集団抗議が多発―台湾メディア

台湾メディアのニュートーク新聞は23日付で、中国大陸部の多くの場所で、賃金未払いのために労働者の集団抗議活動が発生していると報じた。写真は抗議活動が発生した上海市内にある国利汽車真皮飾件の構内。

台湾メディアのNewtalk(ニュートーク)新聞は23日付で、中国大陸部の多くの場所で賃金未払いのために労働者の集団抗議活動が発生していると報じ、「最近の企業運営の苦しさと労働者の権利保護の危機を示している」と論評した。また、中国当局は真相を隠しているが、ネットで公開された写真により事実であることは明らかとした。以下は、同記事の主要部分を要約して、日本人読者のために若干の情報を追加するなどで再構成したものだ。

上海市内の七宝鎮では21日、自動車内装用の革製品を扱う国利汽車真皮飾件の労働者数百人が、賃金が未払いで退職を迫られているとして、路上で集団抗議活動を行った。交通が阻害されて大渋滞が発生し、警察が出動して解散させた。現場は混乱し、労働者の一部は身柄を拘束された。同社は2024年3月から最低賃金に相当する賃金分しか支払わず、10月の給与は未払いだ。影響を受けた従業員は2000人以上に達する。

国利汽車真皮飾件はかつて、中国の自動車用革製シートのトップ会社だったが、近年は経営状況が悪化した。労働者は、企業の経営層は依然として報酬を取っているが、第一線の労働者は無視されていると説明した。

製造業だけでなく、他の業界でも賃金の滞納が発生している。例えば、上海の有名飲食ブランド「シンプリー・タイ(Simply Thai)」では、従業員に対する賃金や、地元当局に支払う社会保険料の滞納が明らかになり、オーナーが逃げたという噂も出た。このほか、広東省珠海市で原材料加工や金型製造を手掛ける文潤徳公司や陝西漢中鋼鉄集団(漢中鋼鉄)でも長期にわたる賃金未払いが原因で大規模な抗議活動が発生した。

漢中鋼鉄は、3000人以上の労働者の社会保険を15年から3億6900万元(約79億円)滞納し、滞納している賃金とその他の福利厚費用も1億元(約21億円)を超えた。

賃金未払いは公立病院や大学付属機関でも発生している。広東省梅州市にある嘉応学院医学院付属病院は資金不足に陥り、従業員は23年から月当たり1000元(約2万1000円)しかもらっていない。同病院は最近になり診察を全面停止し、破産を申請した。また、北京大学図書館でも賃金未払いや職場でのいじめ問題が発覚しており、従業員の労働時間が長すぎて正常に休暇を取ることができず、一部の退職職員の賃金未払い期間は4カ月に及んでいる。専門家からは、今後はさらに多くの公立機関や大企業が財務危機に陥る可能性があるとの声が出た。

労働者は給料遅配などに直面して経済面で圧迫されると自らの権利を守るための抗議活動をせざるを得なくなる。このことは労使関係の緊張の高まりを示す。企業の経営圧力を緩和し、労働者の権益を保障する効果的な措置がなければ、この問題は拡大してさらに多くの社会問題を引き起こす可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人)

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