中国、出生率増に奇策―独メディア
Record China / 2024年11月26日 8時0分
23日、独ドイチェ・ヴェレは、出生率の上昇を目指す中国政府が打ち出した奇抜な方策にドイツ語メディアの注目が集まったと報じた。
2024年11月23日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、出生率の上昇を目指す中国政府が打ち出した奇抜な方策にドイツ語メディアの注目が集まったと報じた。
記事は、ミュンヘナー・メルクーアの電子版が23日、少子化に伴う人口減で養老年金制度に大きなリスクが生まれるとともに労働力不足で経済成長力の低下が懸念される中国で先月、出産育児のサポート体系を強化する措置が打ち出されたと報じる一方で、米ウィスコンシン大学マディソン校の人口学専門家が措置について「主に経済的な面の措置で、家庭の育児コストを下げることが目的。すでに高コストで効果が低いことが証明されている日本のやり方を踏襲した。しかも中国には日本のやり方を完全に模倣するのに十分な財源もないのだ」と指摘したことを伝えたと紹介している。
ミュンヘナー・メルクーアはまた、中国で低出生率が深刻化している背景として、育児コストが世界最高水準になっていること、ますます多くの若い女性がキャリアアップを志していることに加え、中国政府が「新たな質の生産力」をスローガンとして大学卒業生の数を更に増やそうとしていることを指摘したほか、一部地域では「絶望的な措置」が講じられているとし、広東省で流産防止のために妊婦に無料で葉酸タブレットを配布しているとの情報が流れたほか、国家衛生・健康委員会が女性の妊娠を奨励する宣伝活動の中で「女性は子どもを生むとより聡明になる」などといった文言を採用して物議を醸したと伝えた。そして先出の専門家が「中国の若者は生計を立てる仕事すら見つからないのに、結婚や育児について考える余裕などない。また、政府は避妊を禁止したり、国民に結婚を迫るようなことをしてはならない」と述べたことを紹介した。
記事はさらに、南ドイツ新聞も「中国当局の職員が市民に電話をかけて『家で犬を飼うと子どもに良くない』などと勧告」していることが物議を醸していると報じたほか、「地方政府が著名な観光スポットでの結婚式を許可したり、婚姻手続きを簡素化したりといった措置を講じている。政府は、結婚すればやがては子どもを生むというロジックを持っているようだ。同時に、離婚手続きを煩雑化したり、外国人夫婦が中国の子どもを養子に取れないようにした」と紹介したことも伝えた。
南ドイツ新聞は、これらの措置が出生率の上昇につながるかはわからないとした上で、SNS上では若者から「どうして政府は出産、育児で圧力を掛けるような措置を講じるのか。幼稚園の無償化や育児補助金など出産育児を奨励する措置を出している対岸(台湾)に学んでほしい」といった声が出ているとも伝えた。(編集・翻訳/川尻)
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