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サポーターが「株主」となるサッカークラブ運営、壁にぶち当たる―中国メディア

Record China / 2024年11月29日 21時0分

サポーターが「株主」となるサッカークラブ運営、壁にぶち当たる―中国メディア

25日、中国新聞週刊は、陝西省にあるプロサッカークラブによる「会員制」運営方式の模索とトラブルについて紹介する記事を掲載した。

2024年11月25日、中国新聞週刊は、陝西省にあるプロサッカークラブによる「会員制」運営方式の模索とトラブルについて紹介する記事を掲載した。

記事によると、同省にあるサッカークラブ「陝西ユナイテッド」は現在、会員サポーターの「出資」によって大部分の運営資金が賄われている。同市にはかつて陝西国力という甲A(当時の中国プロサッカートップリーグ)のクラブがあり熱狂的なサポーターの応援を受けていたがその後解散。16年に地元サッカーファンの熱望の元に「陝西長安競技クラブ」が設立された。長年下位リーグに低迷しながらも「勝っても負けてもクラブを愛する」精神で支えられ、中乙(中国プロ3部)リーグの試合にもかかわらず5万人近い観客を動員する「伝説」もつくった。

しかし23年になって資金難から中国サッカー協会主催のリーグ参入資格が得られなくなる危機が発生。クラウドファンディングで資金を集めるも結局参入資格が得られず、5月にはクラウドファンディング発起人が「競技クラブ」の一部選手とスタッフを集めて「陝西長安ユナイテッドクラブ」を設立し、サポーターの会費によってクラブの運営を行う「会員制」クラブの形態を模索し始めた。23年末の発表では、クラブの年間収入1100万元中700万元が会費によるものだった。

23年の最低会員価格は年間365元だったが、24年には18歳未満のミニ会員99元、18〜26歳の青年会員99元、一般会員199元、ユナイテッド会員599元、参議会員999元という若者が低価格で会員になれる新しい制度を導入。この制度により会員サポーターは増加したが、クラブは中乙リーグで4位となり上位リーグ昇格を逃した。


そして先月24日、クラブは25年の新たな会員体制を発表。青年会員の年齢が22歳までに引き下げられた上、会費も一般会員と同じ199元へと倍増した。全会員サポーターの3分の1近い5000人を超える青年会員からは「オーナーとして出資しているのに昇格というリターンも得られず、なおかつ出資額を引き上げるという理不尽な改悪」として反発し始めた。激しい反発を受けたクラブ運営者は25年の会員募集計画を一時停止することを発表した。

クラブは、24年の会員制度導入により会員数が前年の8000人から1万8000人へと大きく増えたものの、その大部分は青年会員であったため、会員収入は前年を下回る結果になったと紹介した上で、青年会員の値上げはあくまで収支のバランスを考慮した上での調整であり「サポーターから搾取するためではない」と強調。その後クラブ側とサポーター側の協議が続けられ、クラブ側の誠意が徐々にサポーター側に伝わりつつあり、サポーターの怒りは収束に向かっているという。

記事は、同クラブの会費をめぐる騒動の背景として、「有限責任会社」の株主は最大50人という法規上の規制を回避するために発起人がクラブ発足時「まずNPOを立ち上げてサポーターにNPO会員になってもらい、株式の持ち分をNPOに譲渡してもらうことで、NPOをクラブの株主にする」ことを計画したものの、現時点でNPOが立ち上げられていないことを指摘。サポーターが「事実上の株主」にさえなり得ておらず、クラブの運営に参与できる体制が構築されていないとした。また、仮にNPO立ち上げ申請がなんとか通ったとしても、真の「サポーターオーナー制」に向けて解決すべき課題は山積しており、クラブ側が「現在の体制や法律法規、大きな環境の中で、引き続き最適解を模索し続けている状態」と述べたことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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