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【観察眼】中国の巨大シルバー市場、日本企業にとっても大いなるチャンス

Record China / 2024年11月26日 18時20分

また、住宅の介護目的のリフォームも日本企業が中国市場で展開している重要な事業分野だ。人は高齢になれば体力が衰えて反応が遅くなり、手足の動きも鈍くなり、トイレやキッチン、寝室などの居住環境にはバリアフリー改装を施す必要がある。日本はこの分野でも多くの経験を積んできた。

パナソニックの中国・北東アジア社は2019年に「健康と養老」を中国での戦略事業として取り組むことにした。同社は今年の中国国際輸入博覧会に、活力あるシニア層向けの住宅空間のほか、要介護高齢者向けの離床アシストベッド、折りたたみ式のシャワーチェアなどの介護用品を出展した。パナソニックは中国南部の江蘇省無錫市の宜興で、中国企業と共同で「雅達・パナソニックコミュニティー」という住宅開発プロジェクトに参画し、一部の景観造営および空間設計、室内での電気製品の導入を担当した。また、高齢入居者を対象に座って使うシャワーや、尿検査を含めて健康状態をチェックできるスマート便器などを導入した。住居物件の購入者からは、「周辺のいくつかの物件を見比べたが、パナソニックが参与して開発された住宅のほうがよいと思った。両親のために89平方メートルの2LDK住宅を購入した。管理サービスもよく、入居者は民度が高い。食堂があり、空気もきれいだ」といった声が聞こえてくる。パナソニックは北京市、青島市、陝西省などで、30以上のプロジェクトに参画している。パナソニック中国・北東アジア社の本間哲朗社長は、「中国の巨大市場によるニーズは外資企業の中国での事業展開に大きなチャンスを提供した。中国はグループ全体の売り上げを伸ばす重要な市場だ」と述べた。

シルバー市場は双方向でもある。日本は中国のシニア観光客が好む旅行先だ。また、10年ほど前からは、中国の富裕層の高齢者が健康診断やがん検診、がんや難病の治療など、日本の高度な医療サービスを利用するようになった。一方で、日本人のシニア層の多くは中国への観光旅行を好む。最近では中国が、日本人は11月30日から、ビザなしで中国に入国して30日間まで滞在できると発表した。このことで、より多くの日本人シニア観光客が中国を旅行して、中国の観光業の発展を後押しするだろう。

試算によれば、現在の中国のシルバー市場の規模は年間7兆元(約150兆円)前後で、2035年までには30兆元(約640兆円)前後に達するなど、潜在力は非常に大きい。李強総理は今年3月に行った政府作業報告で、「都市部と農村部コミュニティーについての高齢者介護サービスネットワークの構築を強化し、農村部での高齢者介護サービスの補完に力を入れる。高齢者向け介護用品と介護サービスの供給を強化し、シルバー産業の発展を大いに促す」と述べた。この発言は、中国のシルバー市場がますます拡大し、日本企業にとってはビジネスチャンスがますます増えることを示している。(提供/CRI)

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