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中国でドラマの破壊的「魔改」が流行、当局も規制に乗り出す―中国メディア

Record China / 2024年12月15日 19時0分

中国でドラマの破壊的「魔改」が流行、当局も規制に乗り出す―中国メディア

中国では、有名な映像ドラマの「魔改」が注目されている。「魔改」とは、オリジナルシーンを荒唐無稽(こうとうむけい)に作り変えることだ。当局側は「魔改」の規制に乗り出した。

中国では、有名な映像ドラマの「魔改」が注目されている。「魔改」とは、オリジナル作品を荒唐無稽(こうとうむけい)に作り変えることだ。当局側は「魔改」の規制に乗り出した。中国メディアの環球網などが伝えた。

「魔改の餌食」になった代表例としては、「甄嬛伝」などを挙げることができる。同作品は2011年から12年にかけて放送され大ヒットし、日本でも「宮廷の諍(いさか)い女」の名でテレビ放送された。ドラマの舞台は清朝宮廷だが、「魔改作品」では雍正帝に叩かれたヒロインの甄嬛が、本来ならばひざまずいて謝罪するはずなのに、いきなり機関銃を持って雍正帝を掃射したりする。

それ以外にも古典的な恋愛小説を原作とするドラマの「紅楼夢」では、結局は実らぬ恋愛関係にあるヒーローの賈宝玉とヒロインの林黛玉が、ボクサーのように仕立てられ、試合で対決する。また宮廷ドラマのはずなのに、目上の人の前から退出する際に、登場人物がなぜか西洋の伝説の魔法使いのように、箒(ほうき)にまたがって空を飛んでいくシーンを作った「魔改」もある。

このような「魔改」はいずれも、人工知能(AI)を利用して作られたものだ。著名ドラマのパロティー版は早くから出現していたが、かつては一般的な映像編集や吹き替えによるものだった。しかし今ではAIが活用されて、本来のドラマを自由自在に「操る」ことが可能になった。また、パロティー版作成が容易になったことで、製作者のイマジネーションが大いに刺激されるようになった。しかも制作コストは低減した。視聴者もAI利用の「魔改」を強く求めるようになった。業界関係者からは「爆発的な人気を得るのは避けられない」との声が聞こえる。

また、AIを利用してドラマを作り直せば、どれが本物か分からなくなる混乱も生じる。中国政府で放送や映像作品を所管する国家広播電影電視総局はこのような状況を受け、7日付で「『AI魔改』の管理についての通知」を発表した。「通知」はまず、各省(中央直轄市と民族自治区を含む)の当局に対して、AIで改変された映画やドラマの短編動画を調査し、徹底的に削除するよう、管轄区域内の短編動画プラットフォームを指導することを求めた。

次に、生成AIコンテンツの審査要件を厳格に実施し、類似の問題に対しても対策を講じ、各プラットフォームが開発した大規模AIモデルやAI特殊効果機能について自主的に点検することや、プラットフォームでのAI関連技術を使った作品の公開に対して厳格な審査と監視を行い、AI生成作品である場合にはその旨を明確に表示するよう求めた。

中国の代表的な動画投稿プラットホームの小紅書や抖音などは23年には、「視聴者を混乱させない」ことを目的に、AIを利用した作品について、その旨を自主的に表示するよう求めていた。

中国での状況としては一方で、世代による動画作品への接し方の違いがあるという。中国では1980年代生まれの人を「80後」、1990年代生まれならば「90後」、2000年代生まれならば「00後」と呼んでいるが、「80後はテレビで放送しているものを見る、90後は見たいものをネット検索する、00後は見たいものをAIで作る」との言い方があるという。(翻訳・編集/如月隼人)

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