日産が突如人気者に?台湾・鴻海が買収に動く―中国メディア
Record China / 2024年12月20日 22時0分
19日、観察者網は、ホンダと日産自動車が経営統合に向けた動きを見せる中で、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業も日産の経営権取得を目指していると報じた。
2024年12月19日、中国メディアの観察者網は、ホンダと日産自動車が経営統合に向けた動きを見せる中で、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業も日産の経営権取得を目指していると報じた。
記事は、ホンダと日産が持ち株会社を設立する覚書を交わすことを検討しており、日産が株式の24%を保有する三菱自動車もこの持ち株会社の傘下に入って3社が統合すれば、年間の売上台数は800万台を超え、世界第3位の自動車グループとなると紹介。この情報を受けて、日産と三菱自動車の株価が急騰したと伝えた。
また、鴻海も日産との接触を持ち、日産の過半数の株式を買収する意向を示しており、電気自動車(EV)工場の建設に多額の投資を行う鴻海が日産の工場や設備だけでなく、その全資産に興味を示しているという関係筋の情報を紹介した。さらに、鴻海のEV最高戦略責任者である関潤氏が、日産の副最高執行責任者を務めていたという関連性についても言及する一方で、日産が鴻海との実質的な議論を行ったか、あるいは接触を拒否したかについては明らかになっていないとした。
その上で、日産が現在厳しい状況に直面しており、財務状況が悪化し、利益能力が明らかに低下するとともに、トヨタやホンダといった国内ライバルメーカーとのシェア争いで劣勢に立ち、新興のEVメーカーによる大きな波による打撃も受けているとした。
一方で「日産には大きな魅力もある。何といっても深い歴史と広範な影響力を持つ自動車メーカーであり、そのブランド価値、技術力、マーケット経験は貴重な資産だ」とし、ハイブリッド技術において一定の優位性を持つもののEVでの遅れが目立つ本田にとっては、日産のEV技術を取り入れ、電動化の進展を加速させたいという思惑があり、電子機器製造の大手としてここ数年は自動車業界に積極的に進出している鴻海にとっては、日産を傘下に収めることで優位性を高めたい狙いがあると伝えた。
記事は日産をめぐる争いについて、市場の観点から見ると鴻海が高い優位性を持つものの、ホンダとの合併はさらに大きなメリットを持つと指摘。両社は日系メーカーの大手同士でそれぞれに独自の技術と市場での強みを持っており、合併によって資源の共有と技術の相互補完が可能となり、EV開発が加速するとともに、グローバル市場での競争力が高まるとした。一方で、両社が合併したとしてもテスラやBYDといったEVのトップランナーとはなおも大きな隔たりがあるとしつつ「最終的にどうなるにせよ、EV化という大きな流れの中で日産の転換はもはや待ったなしの状態だ」と結んでいる。(編集・翻訳/川尻)
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