中国のEVはどうやって日系車を次々と負かしたのか―シンガポールメディア
Record China / 2025年1月3日 9時0分
シンガポール華字メディアの聯合早報はこのほど、「中国の電気自動車はどうやって日系車を次々と負かしたのか」と題する文章を配信した。写真は広州モーターショー2024。
シンガポール華字メディアの聯合早報はこのほど、「中国の電気自動車(EV)はどうやって日系車を次々と負かしたのか」と題する文章を配信した。
この文章は、「北京でネット配車サービスを利用したらドアハンドルが見つからず、車の外で大慌てした」という筆者の「すごく恥ずかしかった体験談」から始まる。
そこから「中国の国産EVはファンシーでスタイルはさまざま。従来の露出していたドアハンドルは隠されてしまった」などと続き、欧米に大きく遅れを取った中国の自動車業界はEVなど新エネルギー車がもたらす絶好の機会を握りしめて政府の支援を受けながらキーポイントとなる時期の追い越しに成功したと指摘。そして、輸出では2023年に日本を抜いて中国が世界一を獲得したとしたほか、中国国内の新エネ車販売台数が2024年7月に初めてガソリン車を上回ったことを「新エネ車が中国市場の主流になったことを示すものだ」と紹介した。
その中国自動車市場を文章は「世界で最も競争が激しい」と評し、自動車メーカーは市場シェアを奪うためにもうけ度外視の価格戦を繰り広げていると言及。さらに「こうした競争は日系車にも打撃を与え、日系車は中国で次々と敗退している」と述べ、ホンダと日産の経営統合計画には「中国市場における日系車の窮地を反映しており、中国で日系車がかつて放った輝きを取り戻すのは難しいことを暗示するものだ」との見方があると伝えた。
文章は日本メディアの報道として、「トヨタ、ホンダ、日産の三大日本メーカーの中国における24年9月の新車販売台数は中国メーカーが展開する新エネ車に押されていずれも前年同月から減った」と説明。3社の世界販売台数に占める中国の割合に触れた上で「中国市場での販売激減は収益に巨大な影響を生む」とも伝え、「中国は世界最大の自動車市場であり、どんな企業にとっても手放しがたい存在だ。日系、ドイツ系メーカーの目の前に並ぶ選択肢は中国製EVとの競り合いしかないのかもしれない」と論じた。
文章は「日系メーカーがEV分野でスタートが遅かったのに対し、ガソリン車時代に何ら強みを持たなかった中国メーカーはプレッシャーを抱えることなくEV開発に大挙して投資ができた」とした。さらに、政府も長年にわたり新エネ車の振興を推進してきたと指摘し、温家宝(ウエン・ジアバオ)氏は03~13年の首相在任期間にEVの振興を重点事業に入れたと伝えた。
文章はこのほか、「EVの核心部品はバッテリーだ」とし、バッテリーは中国自動車メーカーがコストを削減できる分野の一部になっているとの見方があることを紹介。さらに中国はEVバッテリー生産のサプライチェーン全体をコントロールしているとし、「外部環境が厳しくても中国製EVの優勢に揺さぶりをかけるのは難しい」と指摘した。
文章は最後に、46年前に神奈川県にある日産の工場を訪れたトウ小平氏が「何が現代化なのかが分かった」と日産の責任者に語ったとのエピソードを伝えた上で、「日本企業が中国製EVを分解して研究した」という24年の報道を紹介。「46年前、日産はトウ小平氏に現代化とは何なのかを分からせ、46年後に日本企業は中国製EVを分解して研究した」と二つの出来事を対比させ、「歴史は巡り、役は入れ替わる。世界とは常に巡る舞台なのだ」と締めくくった。(翻訳・編集/野谷)
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