日本の「ミセス・ワタナベ」が徐々に老いつつある―中国メディア
Record China / 2025年1月6日 8時0分
3日、環球時報は「ミセス・ワタナベは徐々に老いつつある」と題し、日本の個人投資家の衰退を報じた。写真は東京。
2025年1月3日、中国メディアの環球時報は「ミセス・ワタナベは徐々に老いつつある」と題し、日本の個人投資家の衰退を報じた。
記事は、「ミセス・ワタナベ」について、1990年代後半に外国為替証拠金取引(FX)制度導入などにより日本国内で増えた個人投資家を表現する言葉として英誌エコノミストが最初に用いたものだと紹介。FX投資家が一般的に円高局面では円を売り、円安局面では円を買うことで利益を狙うという、市場の流れに逆らう「逆張り」の行動を取る傾向があることから、日本の金融当局は「ミセス・ワタナベ」を為替市場の一方的な変動を抑える重要な力と見なしてきたと伝えた。
その上で、日本の為替市場を安定させる要素として重要視されてきた「ミセス・ワタナベ」について、ここ数年はしばしば日本メディアが高齢化問題を指摘していると紹介。2009年にはFX投資家のうち30歳以下の割合が30%だったのに対し、2024年には17%にまで低下する一方で、50歳以上の割合が53%に達していること、現在の若年層は高リスクを敬遠する傾向が強くFX市場がますます縮小する見込みであることを伝えた。
また、「ミセス・ワタナベ」層内での二極化にも注目すべきだとし、24年6月時点で日本の家庭金融資産2212兆円のうち6割以上を60歳以上の世代が保有していると紹介。1970年代に形成された「一億総中流」社会が崩壊し、富の集中が進んでいる現状を反映していると指摘したほか、バブル崩壊以降の新自由主義的な改革が、効率性を追求する一方で公平性を犠牲にした結果でもあるとの見方を示した。そして、1985年には15%程度だった非正規雇用者の割合が2019年には約40%にまで増加したことも合わせて紹介した。
記事は、為替の安定が日本経済にとって非常に重要であり、特に海外事業への依存を強めている日本企業は、為替の大きな変動によって事業計画や国際市場での買収・投資計画に深刻な影響を与える可能性があると指摘。「ミセス・ワタナベ」の衰退や二極化は、日本の為替市場の不安定化と経済への悪影響をもたらしうるものであり、経済の安定を脅かす要因となるリスクをはらんでいると論じた。(編集・翻訳/川尻)
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