中国で惑星探査を念頭に開発されたロボット、警察が導入して「バズった」―中国メディア
Record China / 2025年1月5日 20時0分
外観は丸くて太いタイヤで転がりながら移動するロボット。当初は惑星探査用に開発が始まったが、浙江省温州市警察が導入した。中国ではパトロールしている様子を示す動画がバズった。
中国メディアの環球網などによると、中国で惑星探査を念頭に開発されたロボットが、警察用のパトロールロボットとして採用された。
外観は丸くて太いタイヤのようだ。転がりながら移動する。このロボットを導入した浙江省温州市警察の鹿城分局特別巡視大隊の黄蘇鋒副隊長は「私たちの新しいメンバーです」と紹介した。重さは160キロで、直径は80センチだ。移動の最高速度は時速35キロで、静止状態から最高速度に達するまでは、わずか約2.5秒だ。警察用装備も搭載でき、映像によると水中や人間が通行できない地形でも移動できる。また捕捉網を発射して容疑者を捕まえることができ、複数のロボットが連携して作業することもできる。
開発したのは浙江大学制御科学工程学院の王酉准教授とそのチームで、2017年に水星探査用ロボットとして開発に着手した。水星表面は温度変化が極めて大きいことを念頭に作業を進めた。「転がりロボット」にしたのは、迅速な前進、すぐれた運動制御、複雑な地形への対応などを考慮したためという。
「転がりロボット」は移動時の摩擦力が最小で、足を使うロボットとは違って追加の姿勢安定機構も必要としないためにエネルギー効率がよく、10時間連続の作業や120キロの移動も可能だ。
このロボットはテロ対策や治安維持のための現場対応を担当する。多くの警察官と共にこのロボットが街頭をパトロールする動画も公開され、ネットでは「バズった」状態になったという。(翻訳・編集/如月隼人)
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