韓国電池産業における人材争奪戦とその背景―華字メディア
Record China / 2025年1月9日 6時0分
7日、日本華僑報網は、韓国の電池業界で人材争奪戦が繰り広げられているとする文章を掲載した。
2025年1月7日、華字メディアの日本華僑報網は、韓国の電池業界で人材争奪戦が繰り広げられているとする文章を掲載した。
文章は、韓国の電池産業が現在、技術革新と市場競争の変革期を迎えており、人材確保が最大の課題となっていると紹介。2次電池大手のサムスンSDIは26年に成均館大学と提携して韓国初の電池工学科を設立する予定で、毎年30人の学生を募集して電池技術を体系的に学ばせ、卒業後は同社に採用する計画を立てているとしたほか、同社が21年から韓国内にある六つの理工大学で電池関連コースを開設し、奨学金や実地研修を通じて人材育成を進めていると伝えた。
また、同じく韓国2次電池製造大手のSKオンは李錫熙(イ・ソクヒ) CEO自ら高麗大学で講義を行い、学生の電池産業に対する興味や関心を高めようと取り組んでいるほか、LGエナジーソリューションは米ニューヨークでイベントを開催し、マサチューセッツ工科大学(MIT)などの世界的な人材と電池技術に関する交流を積極的に行っていると紹介した。
その上で、韓国メーカー各社の人材確保に向けた動きの背景には、中国勢の台頭などによる自国電池産業に対する深い憂慮が存在すると指摘。中国の寧徳時代(CATL)や比亜迪(BYD)が低価格戦略で市場を拡大しており、昨年時点で両社の市場シェアが50%以上に達する一方、韓国3大電池メーカーの合計シェアは20%程度にまで低下すると予測されていることに触れ、シェア低下に伴う売上や利益の低下が大きな課題になっているとした。
そして、中国がリン酸鉄リチウム電池で特許競争を優位に進める中、技術開発こそ競争を優位に進める鍵であることを強く認識している韓国企業は、研究開発への投資と人材育成を強化していると紹介。学部生段階からの育成も進めることで、長期的な技術基盤の構築に注力していると伝えた。
文章は最後に「この人材争奪戦において、韓国の電池企業は技術への情熱と追求を貫きながら、未来の無限の可能性を見据える姿勢を示している。この戦いはまだ始まったばかりだ」と評した。(編集・翻訳/川尻)
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