中国の王毅外相、アフリカ4カ国を歴訪、年明け最初の外遊先は35年連続
Record China / 2025年1月10日 10時0分
中国の王毅外相はアフリカ4カ国の歴訪を開始した。中国外相が年明け最初の外遊先としてアフリカを選ぶのは35年連続。新興・途上国「グローバルサウス」を取り込む狙いだ。写真は王毅外相(中央)。
中国の王毅共産党政治局員兼外相は5日、ナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアのアフリカ4カ国の歴訪を開始した。中国外相が年明け最初の外遊先としてアフリカを選ぶのは35年連続。1月20日に迫ったトランプ次期米大統領の就任を見据え、新興・途上国「グローバルサウス」を取り込む狙いだ。
ロイター通信によると、欧州のアフリカにおける存在感が弱まり、米国がアフリカへの支援を後退させる中、中国は資源豊富なアフリカ大陸全体での影響力を強化する取り組みを進めている。
世界各国の政府や投資家がトランプ次期米大統領の就任に備え、ドイツとフランスがロシアのウクライナ侵攻、中東での戦闘、国内政治問題への対応に忙殺される状況下で、王氏はアフリカ4カ国を訪ねる。中国は多額の債務を抱えるアフリカ各国への金融支援を強化するとともに、重要な鉱物資源をめぐる取引の締結や輸出品を吸収する市場の確保を目指している。
中国-グローバルサウス・プロジェクトの共同創設者、エリック・オーランダー氏は「毎年どの国を訪問するかという決定が対外的な理論に従っているということはほとんどない」と指摘。だが中国外相のアフリカ訪問は「米国、英国、欧州連合(EU)の姿勢とは対照的に、中国がアフリカに手厚く対応する一貫した姿勢を改めて意識させるものとして、アフリカでは鳴り響いている」と述べた。
中国外交部の郭嘉昆報道官は6日の定例記者会見で「アフリカは決して忘れられた大陸ではなく、活力の根源であり、開発の可能性であふれている大陸であると中国は確信している」と語った。
中国経済が減速する中、アフリカはプロジェクトの確保に苦戦している。中国の国有インフラ企業に活路を与え、欧米から供給過剰と指摘されている中国の電気自動車(EV)や太陽光パネルといった部門に市場を提供する形となっている。
国連でアフリカ諸国が保有する50カ国余りの投票権も国際機関の組織や国際基準を、特に人権問題などで中国の利権に沿った方向に修正する中国の取り組みに資する可能性がある。
中国国営新華社通信によると、王外相は6日、最初の目的地であるナミビアの首都ウィントフークで、ナンディヌダイトワ次期大統領と会談。「中国とアフリカの関係の全体的位置付けが新時代における外的環境の変化に左右されない運命共同体であることを明確にした。そのためには中国とアフリカの双方がさらに揺るぎなく共に立ち、さらに全面的に深く協力することが必要だ」などと強調した。(編集/日向)
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